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日本代表

厳しい状況の久保建英に「寄り添って助ける」とエメリ監督。同時にビジャレアルでの役割への適応を求める

THE DIGEST編集部

2020.12.06

ここ最近、調子を落としている久保。エメリ監督の期待に応える働きはできるだろうか。(C)Getty Images

ここ最近、調子を落としている久保。エメリ監督の期待に応える働きはできるだろうか。(C)Getty Images

 ビジャレアルは12月6日(現地時間)に行なわれるラ・リーガ第12節で、エルチェとホームで対戦する。

 その前日会見に臨んだウナイ・エメリ監督は、対戦相手、怪我人の状況、そしてヨーロッパリーグ(EL)のシワススポル戦で決勝点を挙げたサムエル・チュクウェゼに言及するとともに、久保建英についても現時点での印象、そして将来への期待を口にしている(日刊紙『MARCA』『AS』より)。

 19歳の日本人はここ数試合、ラ・リーガ、ELのどちらの舞台においても、プレーに精彩を欠き、とりわけシワススポル戦では、得意とされる右サイドのポジションを与えられたにもかかわらず、見せ場を作れなかったことで、一部の現地メディアからは酷評された。

 厳しい時間を過ごしている久保に対して、指揮官は「素早く状況に応じたパフォーマンスを見せることが必要だ」と注文をつけ、「私はより辛抱強く、そのことを彼に伝えていく」と語る一方で、「私は彼を信じている。今はプロセスの途中だ」と、神童への変わらぬ信頼を示している。

 そして、しばしば議論の種となる久保の起用法については、「彼が加入した時、ポジションについて話し合った。得意なのが右サイドと中央だということは知っているが、今は左でもプレーしている。このクラブで求められる役割や、キャリアにおける初めてのことに、彼が適応できるよう、我々も努力は続けている」と説明した。
 
 また、多大な注目を浴びる久保の置かれた環境についても触れ、「選手が美辞麗句を並べられて持ち上げられている時には、浮かれないよう戒めるが、逆に厳しい状況にある場合にはその選手に寄り添い、助けることが必要だ」と語っている。

「彼はうまくいけば、チャンピオンズ・リーグでもプレーするような重要な選手になれるだろうが、今はそのためのプロセスの途中にいる」と、あくまで成長の過程にあることを強調するバスク出身の智将。久保に対する姿勢がこれまでと全く変わらないことを、改めて示したと言えよう。

 エルチェ戦のスタメンについては、『MARCA』は4-3-3の前線を「(右から)アルフォンソ・ペドラサ、ジェラール・モレーノ、チュクウェゼ」と予想し、『AS』は「ペドラサ、パコ・アルカセル、ジェラール」。いずれも久保の名は外れており、ラ・リーガでは5試合連続のベンチスタートというのが、大方の見方だ。

 与えられた時間の中で、与えられた役割をコンスタントかつハイレベルにこなし、勝利に直接繋がるような結果を残す――。久保が「イエローサブマリン」でさらなる高みに達するには、エメリ監督から突き付けられたこの困難なミッションを完遂しなければならない。

構成●THE DIGEST編集部

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