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海外サッカー

久保建英の「1月退団説」を報じた現地記者が再び去就に言及!一方で憶測飛び交う現状に釘を刺す

THE DIGEST編集部

2020.12.08

久保の去就について現地記者が言及した。(C)Getty Images

久保の去就について現地記者が言及した。(C)Getty Images

 久保建英が効果的なプレーを披露し、現地メディアからも高評価を得た12月6日(現地時間)に行なわれたラ・リーガ第12節のエルチェ戦(0-0)。しかし彼は、この試合でもスタメンからは漏れた。

 ヨーロッパリーグ(EL)ではここまで全試合で先発出場している一方で、ラ・リーガでは5試合連続でベンチスタートを余儀なくされている19歳の日本人MF。「EL要員」とも言える現状を彼が嫌い、1月でのビジャレアル退団を希望している、という報道が世界を駆け巡ったのは、先月23日のことだった。

 これを報じたのはビジャレアルの地元紙『El Periodico Mediterraneo』で、自身のキャリアが“中断”することを久保が望んでいないこと、そして、ビジャレアルには拒否する権利はあるが、不満を抱いた選手を置き続けるメリットはなく、またマドリーとの良好なクラブ関係からも、レンタル解除はあり得るということなどが、綴られていた。

 この報道を受けて、人々の興味はもはや久保が退団するかどうかではなく、新天地としてどのクラブを選ぶのかに向けられ、ベティス、バジャドリー、バレンシア、ソシエダなどの名が挙げられたが、一方で久保はもちろん、ビジャレアルやレアル・マドリーからは何の声明も出されず、徐々に騒ぎもおさまっていった。
 
 この状況について、衝撃のニュースを報じた『El Periodico Mediterraneo』のホセ・ルイス・リサラガ記者が「日本、およびマドリードでのメディアによる久保についての議論」という記事の中で言及するとともに、改めて久保の去就についても触れている。

 同記者は、選手が早く成熟してトップレベルに達したいという考えは、その選手のキャリアを短くする危険があり、正しい順序を辿ることが必要だと訴える。また、ステップアップを図る上で、どの順序をとばしても大丈夫かどうかを判断するのは非常に難しいという。

 そして、現在の久保をめぐる報道や人々の憶測が、全て同じルールに従っている映画や小説のヒーロー物語と同じようなものだと指摘した。

 その上で、同記者は久保について、「彼は偉大なタレントだが、まだトップチームを目指して下のチームでプレーしていてもおかしくない年齢である」とし、「人間性も問題なく、真のプロフェッショナルで、知性のある少年であり、スペイン語をネイティブと同等に操る」と認めるが、一方で彼の置かれた環境の厳しさを強調する。

「ビジャレアルはラ・リーガでトップ5に入るチームであり、競争も激しい。ウナイ・エメリ監督は時に久保の要求を満たし、逆に彼に何かを求める。エメリは久保のことを気に入っているが、しかし彼には22~25人の選手がいる。そして試合に出られるのは、UEFAがルールを変えない限り、11人だけである」

 そして、気になる久保の去就については、「彼が退団を考えていることは、前に報じた通りだ。強調しておきたいのは、これは事実であり、情報を正確に伝えていると約束する。幾つかのクラブがオファーを出してきていることもだ」と断言するが、退団の可能性については「できるかもしれないし、できないかもしれない」と言うにとどめる。

「なぜなら、この移籍には大きなコストがかかるため、(コロナ禍の影響で財政難にある)ベティスのようなクラブには、難しい。これは厳然たる現実だ」

 にもかかわらず、様々な憶測が飛び交う現状を受け、「論争を生み出すのは久保ではない。現在もこれからも。スリラー映画の台本を書いたのは彼ではない」と、同記者は釘を刺している。

構成●THE DIGEST編集部

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