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「調子に乗らずに…」「恐れを隠す必要はない」“元・天才”ボージャンが、バルサの16歳ファティら新鋭に送った金言

サッカーダイジェストWeb編集部

2019.10.02

当時の指揮官であるライカールトに才能を見出されたボージャン。そのセンセーショナルなデビューは大きな話題を呼んだ。 (C) Getty Images

当時の指揮官であるライカールトに才能を見出されたボージャン。そのセンセーショナルなデビューは大きな話題を呼んだ。 (C) Getty Images

 今、ラ・リーガでは、10代の俊英アタッカーたちが目覚ましい活躍を見せている。

 今シーズンに華々しいデビューを飾ったバルセロナのアンス・ファティ(16歳)をはじめ、レアル・マドリーのロドリゴ(18歳)や、今夏にベンフィカからアトレティコ・マドリーに移籍したジョアン・フェリックス(19歳)などは、いずれも将来性を感じさせるプレーを存分に披露している。

 しかし、サッカー界はシビアな世界でもある。極端な話だが、結果が残せなければ、「俊英」や「至宝」と、もてはやされた若手だろうと容赦なく切り捨てられる。前述の彼らも例外ではないだろう。

 そんな若手たちへエールを送るかつての“天才”がいる。ボージャン・クルキッチだ。

 ボージャンの船出はセンセーショナルだった。2007年9月に17歳18日という若さでバルサのトップチームでデビュー。その年の10月に行なわれたビジャレアル戦(ラ・リーガ)で、当時史上最年少となる17歳53日でプロ初ゴールを決めていた。

 周囲から「ネクスト・メッシ」と称されたボージャンだったが、相次ぐ怪我とプレッシャーに押しつぶされて伸び悩み、2011年7月にローマに移籍してからは欧州各国を転々とし、今夏にはアメリカMLSのモントリオール・インパクトに活躍の場を求めた。
 
 若くして尋常ならざる重圧を経験した、かつてのワンダーボーイは、スペイン紙『Marca』のインタビューで、「誰もが自分が好きなように『次世代のメッシ』などと、ラベル付けできる」と語り、ファティらにメッセージを送っている。

「僕は16歳からバルセロナのトップチームでプレーを始め、様々なことを言われてきた。けど、自分が生きた全ての瞬間を誇りに思う。転んでから這い上がったこともね。最初は難しいけれど、徐々に自分のアイデンティティーを作っていくんだ。ファティやジョアン・フェリックスには、『フットボールを楽しんで』と伝えたい。調子に乗ることなく、良い環境と良い仲間たちを頼りにしてほしいんだ」

 今をときめく俊英たちにエールを送ったボージャンは、さらにこうも助言している。

「誰もが恐れや不安を持っている。サッカー選手のように公衆の面前にさらされる場合はよりいっそうね。周りに多くのことを派生させる16歳だった僕も当然、恐れを抱いていた。それを隠す必要はないと思う」

 現在29歳のボージャン。デビュー当初に期待されたようなトップスターにはなれなかったが、様々な経験をし、一人前のサッカー選手となった。それだけに後輩のファティらに向けた言葉には重みがある。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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