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海外サッカー

「継続性の欠如が自信を失わせた」久保建英の現状をスペイン紙が憂慮。途中投入を続ける指揮官に“援護”を要求

THE DIGEST編集部

2020.12.16

EL要員として扱われている久保。本人も現状に満足してはいないだろう。(C)Getty Images

EL要員として扱われている久保。本人も現状に満足してはいないだろう。(C)Getty Images

 ラ・リーガ第13節のベティス戦、久保建英はリーガでは2度目となるスタメン入りを果たしたが、効果的なプレーは少ないまま、58分でサムエル・チュクウェゼとの交代を余儀なくされた。

 2人のマーカーを背負いながらのマリオ・ガスパールへのテクニカルなヒールパスは、らしさを発揮したプレーだったが、他に見せ場を作れなかった久保に対し、多くの現地メディアが厳しい評価を下している。

 後半からの出場で積極的なプレーが活きた12節のエルチェ戦を除くと、このところは伸び悩みが感じられる久保。その原因のひとつに、スペインを代表するスポーツ紙『AS』はウナイ・エメリ監督の起用法を挙げ、「継続性の欠如が、久保から自信を失わせている。彼は快適な状況になく、マジョルカで見せたレベルに戻るには、さらなる時間が必要だ」と綴っている。

 ヨーロッパリーグ(EL)ではグループステージ5試合全てで先発出場した一方で、リーガでは前述の通り、スタメン入り2回。その他は、試合終盤の数分間の出場ということも少なくない。ELで長時間プレーしてゴールやアシストを記録しても、数日後のリーガでは時間を与えないという起用法が、経験が必要な19歳の少年を苦しめてきたということだ。

 同メディアは、久保が今、「未来が見えない現状に抗っている」と主張。以前、エメリ監督が語った「選手が周囲から持ち上げられている場合は、浮かれないように戒めるが、厳しい状況にある時はその選手に寄り添い、助ける」というコメントを引っ張り出し、悩む少年を助けられるか否かは指揮官次第だと訴えた。
 
 久保といえば、左前十字靭帯を断裂したMFビセンテ・イボーラの穴埋めをめぐって、放出の可能性も囁かれているが、エメリ監督はまだ、冬の移籍市場で新戦力を獲得するかどうかも決めていないと強調し、現時点では「現存の選手で、システムを変更して対応する」と明言している。

 怪我人の続出、そしてフェルナンド・ロッチ会長が詐欺や脱税の疑いで検察庁から6年の懲役を求刑される(会長はこれを否定)など、クラブ全体が混乱の中にあるビジャレアルだが、その中で久保が“落ち着き”を取り戻せるのはいつだろうか。

 最後にピッチ上に話を戻せば、12月16日(現地時間)にビジャレアルは、コパ・デル・レイ(国王杯)1回戦で4部のクラブ、レイオアと対戦する。

 エメリ監督がローテーションを採用すると思われるこの一戦、久保については、スポーツ紙『MARCA』がスタメン落ち、ラジオ局『Cadena SER』はフェル・ニーニョ、チュクウェゼとともに3トップの一角、そしてビジャレアル専門メディアの『VILLARREAL USA』は左ウイングと、それぞれ予想している。

構成●THE DIGEST編集部
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