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「逃げるのは簡単だが…」苦境の中で退団表明の本田圭佑をボタフォゴ同僚が批判!? 現地メディアからは厳しい声が多々

THE DIGEST編集部

2020.12.31

退団を表明した本田に対する風当たりは強いようだ。(C)Getty Images

 本田圭佑がボタフォゴからの退団を発表した。オランダのフィテッセをわずか2か月で去った後、南米大陸に渡った元日本代表だったが、ここでも滞在期間は1年にも満たなかった。

 自身のSNSでは、27試合出場・3得点という個人成績に終わり、降格圏内に沈むチームを浮上させられなかったことについて「全ての批判を受け止める。言い訳はしないし、自分でも失望している」と謝罪。続けて、「ここでのシーズンは幸せなものだった」とし、チームメイトらへの感謝の気持ちを表した。

 かねてから噂に上がっていたポルトガルのポルティモネンセ加入が秒読み段階と伝えられている本田について、ボタフォゴのエドゥアルド・バロッカ監督は、12月29日の『Radio Globo』のインタビューで、「一緒に仕事をするのはとてもクールな体験だった。彼には事情があった。太腿を痛めてしまったし、3人の子どものこともある」と、選手の意思を尊重する姿勢を示した。なお、本田とは退団について直接話をすることはなかったという。

 しかし、シーズン途中、それも1部残留に向けてチームが最後の厳しい戦いに臨もうというところでの離脱には、納得できない者もいるようだ。GKのジエゴ・カバリエリは自身のSNSで日本語が書かれた帽子を被った自身の画像と「逃げるのは簡単だが、僕はそうしない」という一文を投稿。これを本田の退団と結び付けて考えられるのは、当然のことだろう。

 一方、チームの外部でも本田を批判する声は上がり、かつてイタリアのインテルやナポリでもプレーし、現在はコメンテーターを務めるカイオは、「本田は間違っている。もっと状況を分析し、苦しい現状に対処する術を探らないと。そして、責任を共有しなければならない」と語り、シーズン終了まではチームに留まるべきだったと主張した(ボタフォゴの専門メディア『FAGAO.NET』より)。
 
 同じくインテルなどで活躍した元ブラジル代表MFのゼ・エリアスは、より厳しく本田を口撃。「本田はとても良い人間であり、プロフェッショナルな選手だが、技術的にはボタフォゴに何ももたらさなかった。彼のプレーはあまりに遅い。私がもう一度プレーしても、あれよりは速くできる」と斬り捨てた。

『FAGAO.NET』は、本田がボタフォゴ経営陣の安易でアマチュア的な考えによって獲得された選手だと主張し、彼の到来によってピッチ上では「何も起こらなかった」と指摘している。

 また、かつてボタフォゴで成功したクラレンス・セードルフの再現をクラブが期待していたものの、「技術的にも戦術的にも大きな違いがあった」と評し、リーダーシップの面でも「期待された役割を果たさなかった」と批判的に綴った。

 なお、本田はSNSで「今後もアジアのボタフォゴ大使としてクラブをサポートしていく機会を模索していきたい」と投稿しているが、地元紙『LANCE!』は彼とボタフォゴが今後もビジネス面で関係を保ち、来年にはドゥルセシオ・メッロ新会長が本田と会談する可能性もあると綴っている。

構成●THE DIGEST編集部