日本代表

ついに戻ってきた広島の大黒柱、青山敏弘が描く今後のビジョン【独占インタビュー後編】

サッカーダイジェスト編集部

2019.10.11

26節の横浜戦では今季リーグ初先発。0-3で敗れたものの、持ち前のスキルの高さを見せた。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

「もう帰って来られないかもしれない。もっと長引くかもしれない。そういう想いもあったんです」。長い沈黙の後に発した青山敏弘の言葉は、右膝の怪我がいかに重症だったか物語っていた。

 長期の負傷離脱から奇跡の生還を果たした広島の大黒柱は今後のビジョン、チーム内での自らの役割りについてどう考えているのだろうか――。偽らざる想いを語ってもらった。


――現在、プレー面での手応えはどうですか?

 すごく前向きですね。本当によく……、試合に出させてもらえるところまで帰ってこれたな、というのが自分のなかでは正直なところなので。今は監督に信頼していただいて、後半のギアを上げる勝負所で使われるという戦い方のオプションとして自分が含まれている。それは、とてもありがたいし、その信頼が僕の力の源となって頑張らせてくれている[編集部・注/インタビュー後の9月14日、26節の横浜戦(●0―3)で今季リーグ初先発]。

――でも、個人的な意見としては、先発で見たいです。

 僕としては、その気持ちは今のところないですね。『ない』という言い方で勘違いはされたくないけど、チームの戦術と結果へのこだわりを考えれば、途中出場は今の自分にすごくフィットしているなと。

――納得していると。

 もちろん。チームに求められていることを全うするのが最も大事です。あとは自分のフィジカルコンディションを考えても、途中出場がベストかなと思いますね。
 
――そのなかで、今できることは?

 相手に『青山が入ってきたら嫌だな』と思わせることですね。2015年に、途中出場で(浅野)拓磨(現パルチザン)が入ってきて、そこから勝負をかけるスタイルを経験していて、今の自分の立ち位置はそれだなと。チームが勝負をかけるオプションで使ってもらって、それで勝てるなら個人としてもチームとしても新たな武器になるはず。

――試合に絡んでいくうえで、城福(浩)監督とはどんなコミュニケーションを取ってきましたか?


 膝だけじゃなくて、フィジカルコンディションも一緒に上げるためにどうするかです。僕の状況をよく把握してくれていて、無理をしてでもグラウンドに立たせてくれなかったのは、本当に僕のことを想ってくれていたからだと感じています。それは、途中出場の起用法も同じ。すぐに無理をしてはいけないのは、僕もその通りだと思っていて、ふたりの間でギャップがないのも良い。なおかつ、そのやり方で上手くいってチームも結果が出れば喜ばしい。監督とのコミュニケーション、監督のマネジメント能力が、僕にとってはすごく大きな力になっています。


――ちなみに、池田(誠剛)フィジカルコーチとは、コンディションについてどんなやり取りを?

 一番よく僕の状態を分かってくれている人で、今もコンディション作りを一緒に継続してやってくれています。この先、良くなっていくのが、楽しみです。

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