仲間の信頼を掴むための試行錯誤、キャプテンの重責、ヒリヒリするような残留・昇格争い、そして思わぬバッシング。初めは言葉も通じなかったドイツでの7年半で、様々な喜びや苦難を味わった。選手としても人間としても大きく成長させてくれた欧州という舞台に、もちろん未練がなくはない。それでも今夏、酒井高徳はJリーグへの復帰を決めた。一大決心に秘められた想いとは……。
――長谷部選手のように、ヨーロッパで長くプレーしたい気持ちはなかったのですか? なぜ、神戸に移籍を?
「もちろん未練がなくはないです。当初は海外で移籍先を探していたし、9月初めの移籍期限ギリギリまで待てば、どこかからオファーが届いたかもしれない。でも、僕が重視していたのは、モチベーションでした。なんのためにサッカーをやるのか、というところです。約8年間も海外でプレーしていれば、成長したいという一心だけでは決められません。
チャンピオンズ・リーグに出たいとか、(リオネル・)メッシや(クリスチアーノ・)ロナウドのようになりたいとか、何を目指すかは人それぞれで、僕の場合は、例えばハンブルクのように1部昇格を目指したり、あるいは1部に昇格したばかりだったりとか、野心のあるチームに貢献したかったんです。その点で、ヴィッセルは魅力的でした。大きなビジョンを掲げていて、このクラブにいけば、日本でも何かを成し遂げられるんじゃないかって感じられたんです」
――オファーが来てから、すぐにそういう考えに?
「いえ、色々考えた挙句に出てきた選択肢でした。単身でヨーロッパにいると、やっぱりモチベーションがないと続かないし、でも、そんな大きなやり甲斐を感じられるクラブからタイミングよく話が来るとは限らない。そういうことも考慮して、今は日本に戻るのがベストかなと、そういう決断に至りました」
――では神戸で、具体的に何を成し遂げようと?
「ポテンシャルを引き出すための力になりたい。これだけクオリティの高い選手と良い環境が揃っているのに、実力を出し切れていないのは、すごくもったいないじゃないですか。サッカーは11人でやるチームスポーツです。僕は、スター選手を集めれば勝てるという考え方が大嫌いなんですよ。どんな選手でもチームのためにやるべきことがある。ヴィッセルはまさにそうで、一人ひとりがバラバラでプレーしていて、うまく機能していない印象だったんです。それをどうにかしたいなと」
――選手同士をつなぐ〝架け橋役〞になりたいと?
「そこまで大層なものではないです。僕がこれまで体験してきたものを発信して、少しでもチームが変わってくれたら。率先して引っ張るというよりは、『チームとはこうあるべき』という姿勢を、プレーや行動で体現していく。それにつられて、チームが一体感を意識して、遠慮しがちだった若手が変わり、一体感や自主性が生まれればいいです」
――長谷部選手のように、ヨーロッパで長くプレーしたい気持ちはなかったのですか? なぜ、神戸に移籍を?
「もちろん未練がなくはないです。当初は海外で移籍先を探していたし、9月初めの移籍期限ギリギリまで待てば、どこかからオファーが届いたかもしれない。でも、僕が重視していたのは、モチベーションでした。なんのためにサッカーをやるのか、というところです。約8年間も海外でプレーしていれば、成長したいという一心だけでは決められません。
チャンピオンズ・リーグに出たいとか、(リオネル・)メッシや(クリスチアーノ・)ロナウドのようになりたいとか、何を目指すかは人それぞれで、僕の場合は、例えばハンブルクのように1部昇格を目指したり、あるいは1部に昇格したばかりだったりとか、野心のあるチームに貢献したかったんです。その点で、ヴィッセルは魅力的でした。大きなビジョンを掲げていて、このクラブにいけば、日本でも何かを成し遂げられるんじゃないかって感じられたんです」
――オファーが来てから、すぐにそういう考えに?
「いえ、色々考えた挙句に出てきた選択肢でした。単身でヨーロッパにいると、やっぱりモチベーションがないと続かないし、でも、そんな大きなやり甲斐を感じられるクラブからタイミングよく話が来るとは限らない。そういうことも考慮して、今は日本に戻るのがベストかなと、そういう決断に至りました」
――では神戸で、具体的に何を成し遂げようと?
「ポテンシャルを引き出すための力になりたい。これだけクオリティの高い選手と良い環境が揃っているのに、実力を出し切れていないのは、すごくもったいないじゃないですか。サッカーは11人でやるチームスポーツです。僕は、スター選手を集めれば勝てるという考え方が大嫌いなんですよ。どんな選手でもチームのためにやるべきことがある。ヴィッセルはまさにそうで、一人ひとりがバラバラでプレーしていて、うまく機能していない印象だったんです。それをどうにかしたいなと」
――選手同士をつなぐ〝架け橋役〞になりたいと?
「そこまで大層なものではないです。僕がこれまで体験してきたものを発信して、少しでもチームが変わってくれたら。率先して引っ張るというよりは、『チームとはこうあるべき』という姿勢を、プレーや行動で体現していく。それにつられて、チームが一体感を意識して、遠慮しがちだった若手が変わり、一体感や自主性が生まれればいいです」