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海外サッカー

本田圭佑の獲得の裏にブックメーカーの思惑が!?現地メディアがネフチの資金面に言及

THE DIGEST編集部

2021.03.12

本田を助っ人として待望する声もあれば、実力を疑問視する声もある。(C)Getty Images

本田を助っ人として待望する声もあれば、実力を疑問視する声もある。(C)Getty Images

 今年2月にポルトガルのポルティモネンセ入団を発表するも、登録不可で破談となり、去就が注目されていた本田圭佑。その後、アゼルバイジャンのネフチ・バクー入りの噂が浮上し、両者が合意したとの報道も流れ、間もなく正式に入団が発表されるともいわれている。

 そんな中、本田はアゼルバイジャンのラジオ局の取材に応え、「代理人を通してオファーを受けた。とても素晴らしい知らせだ。とても珍しいことだし、こんなに早くニュースが広まったことに驚いている」と自身の気持ちを明かした上で、「真剣に熟考しているが、まだ最終的な決断は下していない」と語っている(現地メディア『SPORTiNFO』より)。

 他にも東京五輪の話題にも触れ、「五輪に出場したい。この目標は今も変わりはない。しかし、そのためだけに生きているわけではない」と語った35歳。実績十分のベテラン日本人選手に対して、現地メディアは大いに注目している。

 本田のアゼルバイジャン参戦には様々な見方があるが、現地メディア『QAYNARiNFO』はこの移籍劇の財政的な背景に触れ、これはネフチという一クラブだけでなく、特定の企業も絡んだ動きだと主張した。

 本田とアゼルバイジャンの関係については、かつて1部リーグ(プレミアリーグ)のクラブ、サバーのSDを務めていたエミン・アッバソフ氏が「2019年に本田がメルボルン・ビクトリーを退団した際に1500万ユーロ(約18億円)での売り込みがあった」と暴露したが、それから2年が経った現在でも、彼をチームの一員として迎え入れるには600万~700万ユーロ(約7億4000万~8億6000万円)の費用が必要だという。

 しかしアゼルバイジャンでは、最も年間予算の多いカラバフFKでさえ、400万~500万ユーロ(約5億~6億2000万円)程度であり、ネフチのそれはカラバフを大きく下回る。とても、本田を雇う金は捻出できないと同メディアは指摘する。
 
 また、“大物外国人”獲得の失敗例にも同メディアは言及し、エミール・ムペンザ(ネフチ)、マイケル・エッシェン(サバイルFK)らはアゼルバイジャン・サッカーに何の貢献もしなかったこと、観客動員数の上昇につながらなかったこと、商業的な効果もなかったことを紹介した。

 本田の獲得についても多くの疑問が投げかけられているが、それでもこれが断行されるのは、同国のブックメーカー「Topaz」が資金面で援助するからだという。これにより、アゼルバイジャン・サッカーへの関心が喚起できると見込んでのことである。

 アゼルバイジャンではこの2年間で、八百長疑惑により約30人の選手が永久追放処分を受けるなど、国内サッカーとギャンブルの関係について懐疑的な見方が広まっていたが、世界的に知名度のある選手を招聘することで、これを払拭することを狙っているという。

「Topaz」側はこの説を否定しているというが、同社経営陣とネフチの間には秘密の関係があると同メディアは主張している。

 その実績に信頼を置き、本田を助っ人として待望する声もあれば、すでに“盛りの過ぎた”日本人の実力を疑問視する者、そして商業的な思惑によるものと否定的な見方をする者も多々いるが、現時点での共通の興味は、本田のバクー入りが本当に、そしていつ決定するのか、ということだ。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】本田圭佑がブラジル全国選手権で決めた鮮やかなゴラッソ

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