海外サッカー

本田圭佑、デビュー戦で現地メディアに「中古車市場に送られた」と揶揄されるも、次節対戦相手は「群を抜いて有名な選手」を警戒

THE DIGEST編集部

2021.04.08

本田の新天地デビュー戦は0-2の敗戦と厳しい結果に。(C)Neftçi Baku

 4月4日に行なわれたアゼルバイジャン・プレミアリーグ第21節のスムガイト戦で、後半からピッチに立ったネフチ・バクーの本田圭佑。先月15日に入団発表を行なってから約3週間後に、ついにデビューを果たした。

 8年ぶりのリーグ優勝のためには1試合も落とせない状況でホームゲームに0-2で敗れ、宿敵カラバフFKに首位の座を明け渡したとあって、背番号4は試合後、流れを変えられず、一矢を報いることもできなかったことを悔しがり、「受け入れがたい結果」と語った。

 失意のサミール・アッバソフ監督は「誰のことも話したくない」として日本から助っ人に関する言及を拒否したが、現地メディアは容赦なく、「デビュー戦は失敗に終わった」(『AZERISPORT.COM』)、「ただイエローカードをもらっただけ」(『SPUTNIK』)、「チームを悲しみから救えなかった」「スムガイトによってホンダは"中古車市場"に送られた」(『SPORTiNFO』)などと、「日本のスーパースター」の再出発を酷評した。

 現役選手でありながら、カンボジア代表のゼネラルマネジャーを務め、また様々なビジネスも展開するなど、多彩な顔を持つことがアゼルバイジャンでも脚光を浴びている34歳は、ピッチ上で結果を出せなかったことで厳しい目を向けられることとなったが、それで対戦相手の警戒が和らぐことはないようだ。
 
 10日にネフチとホームで対戦するガバラのモンテネグロ人MF、ステファン・ヴクチェビッチは、『AZERISPORT.COM』の取材に応え、本田について「高い個人技を持つネフチの力を、彼がさらに高めるだろう。僕はこれまでにも名の知れた選手と対戦したことがあるが、その中でも本田は群を抜いて有名なサッカー選手だ」と語った。

 ただ、CSKAモスクワでチャンピオンズ・リーグに出場し、名門ミランで背番号10を背負い、日本代表として3度のワールドカップに出場してゴールを奪い、決勝トーナメントにも進出した本田の存在は、対戦相手に脅威だけを与えるわけではなく、ヴクチェビッチは「僕らにとっては、モチベーションにもなる。全てを出し尽くして、成功を勝ち取りたい」とやる気を漲らせている。

 スムガイト戦での45分間では、完全なコンディションではなく、また以前から指摘されているスピードの欠如は変わらなかったものの、左サイドでのプレーで惜しいクロス(受けた味方選手がポストを直撃するヘディングシュート)や効果的な縦パスを通したり、的確な位置取りでこぼれ球を詰めたり(シュートはGK正面)と、見せ場も作った本田。今後、試合ごとに個人、チームプレーの両方でパフォーマンスを高めていけるのか要注目だ。

構成●THE DIGEST編集部