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日本代表

シュート1本で歴史的勝利のフィンランド。笑顔なき殊勲者は「エリクセンの気持ちを尊重した」

THE DIGEST編集部

2021.06.14

決勝点を挙げたポーヤンパロ。わずか1本のシュートをゴールに結びつけた。(C)Getty Images

決勝点を挙げたポーヤンパロ。わずか1本のシュートをゴールに結びつけた。(C)Getty Images

 6月11日に開幕したEURO2020。1年遅れで開催された16回目の欧州最強国決定戦は、大会2日目にして大きなショックに見舞われた。12日(現地時間)に行なわれたグループリーグ第1節のデンマーク対フィンランド戦で、前者のゲームメイカーであるクリスティアン・エリクセンが40分過ぎに突如ピッチに倒れ、心臓マッサージなどの応急処置を受けて病院に緊急搬送されたのである。

 意識はあり、搬送される際にもスタッフに話しかけていたというエリクセンの容態について、後にUEFAが「安定している」と発表。中断から約2時間後に試合は再開されたが、これはエリクセン自身が望んだことだったと明らかにされている。

 突然のアクシデントに見舞われた背番号10には、各方面から激励の言葉が寄せられた。インテルのチームメイトであるベルギー代表のFWロメル・ルカクはロシア戦での2ゴールをチームメイトに捧げ、その回復を祈っている。また、倒れたエリクセンに対して的確な措置を施すとともに、心配のあまりピッチに飛び出してきたエリクセン夫人に対しても気遣いを見せたキャプテンのシモン・ケアに対しては、世界中から称賛の声が上がった。
 
 このような事態の後、ピッチに戻った選手たちは再びキックオフの笛を聞き、コペンハーゲンのパルケン・スタジアムには活気が戻って来た。試合は再開前同様にホームチームが攻勢を続けたが、これをフィンランドが堅守でしのぐと、60分、イェレ・ウロネンの左からのクロスをヨエル・ポーヤンパロが身体を投げ出してのヘッドで合わせてゴール。リードしたアウェーチームは74分にはPKを献上したが、ピーエル=エミル・ホイビュアのキックを好守連発のルーカス・フラデツキーが見事に止め、1点を守り切った。

 ボールポゼッションは37%、シュート数は1(デンマークは23本!)という一方的な展開の中で番狂わせと言える勝利を飾ったフィンランド。記憶に残ることとなったこの一戦は、またこの国にとって初出場となったメジャーイベントの初戦であり、歴史的な90分間となったのである。
 

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