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海外サッカー

「最悪の場合は15人で東京へ…」揺れるフランスU-24代表、メダル奪取に暗雲。森保ジャパンには“好機“か

THE DIGEST編集部

2021.06.28

カマビンガ(左)をはじめ、メガクラブ垂涎の逸材たちの招集を見込んでいたフランス。だが、その目論見はあっさりと崩れ落ちた。(C)Getty Images

カマビンガ(左)をはじめ、メガクラブ垂涎の逸材たちの招集を見込んでいたフランス。だが、その目論見はあっさりと崩れ落ちた。(C)Getty Images

 東京オリンピックで金メダルの最右翼と目されていたU-24フランス代表が、思わぬ壁に衝突。大会参加に向けて暗雲が立ち込めている。

 現地時間6月25日に発表されたメンバー18名の顔ぶれは、まさに豪華絢爛。エドゥアルド・カマビンガ(レンヌ)やウィリアム・サリバ(アーセナル)、アミンヌ・グイリ(ニース)といった将来を嘱望されるタレントたちに加え、オーバーエイジ枠でもアンドレ・ピエール=ジニャックとフロリアン・トバンと国際経験豊富な選手をリストアップした。

 まさに優勝候補にふさわしいメンバーだったが、わずか1日でチームは崩れた。フランス全国紙『レキップ』が、フランス・サッカー連盟(FFF)は「選手とクラブとの合意を得ないままに発表した」とすっぱ抜いたのだ。

 見出しで「でかいハッタリ、どでかい失敗」と打った同紙の情報によれば、それぞれ招集を受けたリヨン、ニース、レンヌ、モナコの4クラブがリスト発表直後に自軍選手の不参加を表明。28日から開催予定となっていた国内合宿の延期も決定したという。
 
 お粗末な“お家騒動”を演じたFFFは、6月30日までに18名を選出し直さなければならないが、現時点で招集に応じる有力選手は不透明なままだ。そのお粗末ぶりを「エスポワール(フランスの五輪代表の愛称)のメダルは幻想となった」と皮肉ったフランス・メディア『Quest France』によれば、「最悪の場合は15人、もしくはもっと少ない人数で東京に臨む可能性もある」と報じた。

「水曜日までに解決策が見出せなければ、奥の手として、日本には15人だけを連れていくことになるだろう。これで不参加という不名誉は免れる。だが、新たな問題も起きる。まともなローテーションを組めずに怪我人を多発させる可能性が高まるのだ。これが各クラブに受け入れられるかは定かではない。もはやメダル獲得以前の問題である」

 これまでも、フランスはキリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)やダヨ・ウパメカノ(バイエルン)、イブライマ・コナテ(リバプール)ら五輪世代の超逸材たちの招集を見送り、メンバー選考に悪戦苦闘を続けてきた。そのなかで、なんとか選び抜いた精鋭たちにも拒否されてしまったのは、首脳陣にとって痛恨でしかないだろう。

 とはいえ、大会はすぐそこに迫っている。この王者の体たらくは、グループステージでフランスと対戦する森保ジャパンにとって、これ以上ない“チャンス”と言えるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部
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