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メッシのパリSG移籍で「得をした者、損をした者」は? およそ178億円の収入を失う見込みのバルサはどうなる!?

THE DIGEST編集部

2021.08.11

アル・ケライフィ会長(右)とともに笑顔で写真撮影に応じるメッシ(左)。この偉才の移籍は、小さくない波紋を広げている。(C)Getty Images

 涙のバルセロナ退団会見から2日後、リオネル・メッシがパリ・サンジェルマンと2年契約を結んだ。

 昨夏の退団希望以来、その去就が常に注目されてきたとはいえ、大きな驚きを提供したこの移籍により、メッシ自身は年俸として3500万ユーロ(約45億5000万円)+ボーナスを得るといわれる。
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 すでに多くのビッグネームを抱えるパリSGとしては大きな支出となるが、米国金融専門メディア『BARRON’S』は、このフランスのメガクラブが「それ以上の利益を手にする」と主張する。

 同メディアによれば、バルサは2017年以降、メッシに年間1億3800万ユーロ(約180億円)を支払っていたとされるが、一方で彼の存在によって4年間で支出(年俸)よりも約2億3500ユーロ(約310億円)多い収入を得ていたという。その事実からは、このアルゼンチン人クラックがいかに経済面で大きな影響を誇るかが窺い知れる。
 
 そんなメッシの加入により、パリSGはこれまでを大きく上回るグッズ、入場者、スポンサーの収入が保証され、昨季のコロナ禍で負った1億2500万ユーロ(約163億円)も簡単にカバー。さらに同クラブの悲願でもあるチャンピオンズ・リーグ(CL)優勝のための「ラストピース」となれば、より大きな利益をクラブにもたらすという。

 ネイマールをバルサから、キリアン・エムバペをモナコから、計4億ユーロ(約520億円)もかけて獲得した過去を考えれば、移籍金ゼロのメッシは実に安く、効果の大きな買い物だということだ。

 南米の専門メディア『DEPOR』は、今回の移籍劇について、「得をした者、損をした者」という記事において、前者にはリーグ1の放映権を3億2000万ドル(約355億円)で得た多国籍テクノロジー企業「アマゾン」、そして昨年よりクラブのユニホームスポンサーとなった世界的ホテルチェーンの「アコーホテルズ」(ユニホームに掲出されている『ALL ACCOR LIVE LIMITLESS』は同社のサービス名称)と列挙。一方、後者は……当然、バルサであり、メッシの退団によって11パーセントもの収入減を強いられるという。

 これは大手ブランドコンサルティング会社「ブランドファイナンス」の見積もりによるもので、バルサはスポンサー契約で7700万ユーロ、グッズ販売で4300万ユーロ、そして試合での収益(入場料他)でも1700万ユーロの減少が予想され、計1億3700万ユーロ(約178億円)の収入を失うと見られている(米国の総合メディア『Blaze Trends』より)。
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喪失感を抱いて迎える新シーズンのバルサはどうなる?