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海外サッカー

主力退団、上層部の確執、財政難…再建誓うバルサに立ちはだかる多くの問題。しかし数字上では「メッシの穴埋め」は完了?

THE DIGEST編集部

2021.09.10

クーマン監督(左)はこの苦境をどう乗り切るだろうか。(C)Getty Images

クーマン監督(左)はこの苦境をどう乗り切るだろうか。(C)Getty Images

 深刻な財政難により、大黒柱だったリオネル・メッシと契約更新することができず、さらにアントワーヌ・グリエーズマンら主力を放出し、所属選手にも年俸の大幅なダウンを強いるなど、厳しい状態にあるバルセロナ。昨季よりチームを率いるロナルド・クーマン監督も、苦労が絶えないことを告白している。

 バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』に対し、メッシを失ったことについて「彼がバルサでのプレーが続けられないというニュースは、私を含む全ての人々に大きな打撃を与えた。我々は、シーズンごとに30以上のゴールを挙げ、アシストをマークし、対戦相手を恐れさせた世界最高の選手を失った。それを乗り越えるには、多くの日数を要したものだ。しかし、我々は新たなページをめくり、チームを構築し、勝利に必要なゴールを生み出すための戦略を実行していかなければならない」と語った。

 また、移籍市場最終日にグリエーズマンをアトレティコ・マドリーにレンタル移籍させたことも、指揮官にとっては大きな痛手になったという。こちらも、高額年俸という財政的な問題を解決するための“人事”だったため、「現場として解決策を見つけられないまま最終日を迎えた」と告白。同じくバルセロナのスポーツ紙『SPORT』によれば、グリエーズマン自身はメッシ退団後のバルサのリーダーになることを望んでいたというが、シーズン序盤に低迷し、新加入メンフィス・デパイに取って代わられたことが大きかったようだ。
 
 昨夏、クーマン監督はバルサに到来してから、メッシの「ブロファックス事件」、ジョセップ・マリア・バルトメウ前会長の辞任、ジョアン・ラポルタ現会長の再選、財政問題、メッシ退団、選手登録の問題……実に多くのトラブルに直面してきたが、前述の自身のコメント通り、新たなクラブの歴史創成に意欲を示しており、『SPORT』紙に対して「5年後も監督であり続けたい」と語っているが、同メディアはこのオランダ人指揮官とラポルタ会長の関係が良好ではなく、「両者が1年以上協力し続けるのは困難」と主張している。

 ラポルタ会長は今夏に、来夏で契約が切れるクーマン監督の続投を明言しており、現在は苦難の状況にあるクラブの立て直しのために足並みを揃えている。しかし同メディアは、昨季に再選直後のラポルタ会長が初タイトルとなるコパ・デル・レイを制したばかりのクーマン監督の仕事に疑問を投げかけ、指揮官が「軽蔑されていると感じた」こと、また契約交渉における内容のメディアへのリークにも不満を抱いていることを挙げ、両者の間に不信感が存在すると報じた。
 

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