現地時間４月６日、チャンピオンズ・リーグ（CL）準々決勝のファーストレグが行なわれ、レアル・マドリーは敵地で昨季の王者であるチェルシーを３-１で下し、昨季の準決勝で味わった雪辱を果たすため大きく前進した。

　この一戦で秀逸の活躍を見せたのが、34歳のフランス代表FWカリム・ベンゼマだ。21分にヴィニシウス・ジュニオールのマイナスのクロスを頭でゴール左隅に鋭く突き刺すと、その３分後にはモドリッチのクロスから、今度はうまくコースを突いたヘッド弾で加点。42分に絶好機で枠を外したものの、後半開始直後、相手守備陣のミスを見逃さずにボールを奪うというお得意の技を披露し、無人のゴールに流し込んでハットトリックを達成してみせた。

　試合後、ベンゼマは「３ゴールとも全て、非常に重要なものだ。前半にチャンスを逃しており、そのことが頭にあったので、後で３点目が取れたのは嬉しいことだった」「勝つためにピッチに立ち、最後まで上手くプレーすることができた。このようなチームの姿を見せられたことは、非常に良かった」と、自身とチームの両方の出来に満足感を示している。
　この殊勲者に対して、カルロ・アンチェロッティ監督は「日を増すごとに、良くなっていく。上質なワインと同じようだ。チームでの重要性も増していっており、それが違いを生み出しているのだろう。魅力的であり、我々にとって重要な存在であり、良いお手本だ」と賛辞を贈った。

　ベンゼマはまた、「サンチャゴ・ベルナベウでのパリ・サンジェルマン戦（３月９日に行なわれたCLラウンド・オブ16のセカンドレグ）のような“魔法の夜”だ」とも語っているが、その魔法を生み出したのは、他ならぬ本人だった。ファーストレグを０-１で落とし、リターンマッチでもキリアン・エムバペのゴールで先制されて絶体絶命だったチームを、自身のハットトリックで救い、マドリディスタを狂喜乱舞させたものである。