去る11月13日（現地時間）、クリスティアーノ・ロナウドがサッカー界に「爆弾級」というべきニュースを投下した。その衝撃の大きさは、翌日に所属するマンチェスター・ユナイテッドが拠点を構える英国のみならず、日本を含めた世界中のメディアが取り上げたところからも分かる。そして、見出しの多くには次の言葉が並んだ。

「僕はクラブに裏切られた」

　一体何が「爆弾」なのか。すでに周知かもしれないが、改めて、その内容を振り返っておきたい。事の発端となったのは、現地時間11月16日と17日に英ニュースチャンネル『TalkTV』で放送予定となっているジャーナリストのピアース・モーガン氏とのインタビュー。その宣伝としてSNSなどに流れた一部動画で、C・ロナウドは所属クラブをこれでもかというほどにこき下ろしたのである。
  「監督だけではない。クラブ上層部の何人かが僕を押し出そうとした。裏切られた気分だ」

「僕は気にしないから話すし、人々は真実を知るべきだ。裏切られた気分だし、僕がここにいないことを望んでいる人がいる。今年だけではない、昨年もそうだった」

「（エリク・テン・ハーフ監督に対して）彼は僕をリスペクトしていない。だから、僕も彼をリスペクトはしない。敬意を示されなければ、その人間をリスペクトすることはない」

「（ラルフ・ラングニック前監督について）コーチでない人間がどうやってマンチェスター・ユナイテッドの監督を務めるっていうんだい？ それまで、彼の名前を聞いたこともなかった」

「（自身を酷評したウェイン・ルーニーについて）なぜ、批判しているのか分からない。たぶん、僕がいまでもトップレベルでプレーしていて、彼はすでに引退しているからかもしれない。自分では言わないけど、僕のほうが見た目が良いからかもしれない。確かにその通りなのだけどね……」

「（クラブ施設について）サー・アレックスがクラブを離れて以来、クラブはまるで進化していない。プールも、ジャグジーも、ジムも、キッチンも、何も変わっていないんだ」

　親交が深かったモーガン氏だからこそ聞き出せた話ではある。だが、自身の出場機会が減っていたタイミングで、C・ロナウド個人の広報チームが辛辣な内容のインタビューを敢行したのには、それ相応の理由がある。おそらく本人にマンチェスター戻る気などまるでなく、今回の一件で、自らの退路を完全に断つつもりだったのだ。