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海外サッカー

問題点が指摘されるオフサイド判定システム、厳格な試合時間が話題に… “不透明さ”の完全払拭はどこまで追求されるのか?【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.11.24

ゴールラインテクノロジー、VARに続き、SAOT(半自動オフサイドシステム)が採用される今大会だが、疑惑の判定も完全にはなくなっていない。(C) Getty Images

ゴールラインテクノロジー、VARに続き、SAOT(半自動オフサイドシステム)が採用される今大会だが、疑惑の判定も完全にはなくなっていない。(C) Getty Images

 11月20日の開幕から、日々、熱戦が繰り広げられているカタール・ワールドカップ。この初の中東開催となった大会では、試合結果、選手のプレーだけでなく、テクノロジーの進化にも多くの注目が寄せられている。

 2014年ブラジル大会の「ゴールライン・テクノロジー」に続き、前回ロシア大会では初めて「VAR」が導入され、ビデオ判定によって誤審がかなりの割合で防げるようになった一方で、試合がこれまでにないほど頻繁に中断されるようになり、サッカーという競技に変化を与えるようになったが、それから4年後の今大会、新たに「半自動オフサイドシステム(SAOT)」が導入され、開幕戦からさっそく、その“威力”を発揮した。

【動画】VARがまさかなミス! スペインで話題となった誤審の証拠画像をチェック
 試合開始3分、開催国カタールのゴール前での競り合いから、エネル・バレンシアが頭で押し込んで早く大会ファーストゴールを奪ったように見えたが、しばらく時間をおいて主審が下した判定はオフサイド。これには多くの人々が理解できず、SNSには不満や批判の声が一気に寄せられたが、実はこのAI技術を導入した新システムが競り合いの際にミカエル・エストラーダの右足がわずかにオフサイドラインを越えたことを指摘していたのだ。

 その後、世紀の番狂わせとなったアルゼンチン対サウジアラビアの一戦では、南米の優勝候補が開始10分にリオネル・メッシのPKで先制した後、27分にはラウタロ・マルティネスがスルーパスで抜け出してゴールネットを揺らし、問題なく2点目を挙げたと思われたが、SAOTによれば、このインテル所属FWの左肩がオフサイドラインをわずかに超えていたということで無効となっている。

 英国の日刊紙『Daily Mail』は、1986年メキシコ大会準々決勝でアルゼンチンの英雄ディエゴ・マラドーナが披露した「神の手ゴール」をいまだに許していないイングランド人の一部が、今度はVARによって得点を取り消されたことを喜んだと報じたが、この肉眼では見極めにくい一瞬の位置関係をわずかな時間で判定できるテクノロジーの力には、早くも疑問符がつけられてもいるようだ。

 というのも、後にこのオフサイドと判定された場面において、サウジアラビアの左SBヤシル・アル・シャハラニがラウタロよりも自陣寄りにいたのではないかと、スペインのウェブサイト「Archivo VAR」が画像を用いて、指摘したからである。

 アルゼンチンの日刊紙『Ole』によれば、このSAOTの開発に携わったナチョ・テジャド氏は、このシステムにはまだ問題があり、また使用方法にも誤りがあると指摘した上で、「ラウタロはオフサイドではない」と断言。これが真実であれば、より正確かつ公平な判定のために導入されたシステムが、大会を混乱に導く危険性もあり、今後の動向を注意深く見守る必要がある。
 
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