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「日本は恵まれた」元プレミアの名物審判が世界を騒然とさせた“三笘の1ミリ”に持論!「ドイツの不満は理解できる」【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.12.05

ギリギリでボールに触れて“逆転劇”を呼び込んだ三笘(右)。そのワンプレーをクラッテンバーグ氏(左)が分析した。(C)Getty Images

 文字通り瀬戸際のプレーだった。それだけに議論はいまだ続いている。現地時間12月1日のカタール・ワールドカップグループE最終戦となったスペイン代表戦で、日本代表MFの三笘薫が決勝点をアシストシーンだ。
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 森保ジャパンが初戦のドイツ代表戦に続く逆転劇で、大物食いをやってのけたスペイン戦。試合後に結果以上に各国メディアで物議を醸したのが、先述のシーンだった。

 ゴールラインを割ったかどうかの微妙なところで「本当に1ミリでも中に入っていればいいなと思った」という三笘が身を投げ出しながら左足で中央へ折り返し。これをフリーで敵エリア内に駆け込んだ田中碧がゴールにねじ込んだ場面。VAR検証の結果、真上からの映像によってボールはわずかにラインに触れていたために「正当」と判定された。

 ルール上は接地面がラインを越えていても、ボール自体が空間上の線にかかっていれば、インプレーとなる。しかし、とりわけ欧州メディアではラインを越えていた真横からボールを捉えた画像を基に批判の声が上がった。元ドイツ代表MFのディートマー・ハマン氏は「私はあれだけでは確信が持てないね」と審判団の判断を嘆いたほどだった。

 ゴールラインにボールがかかっていたのはわずかに1ミリとも言われる三笘のアシスト。いまだ論争が続く同シーンに、審判の目線から興味深い意見が提示されている。見解を述べたのは、元プレミアリーグの審判であるイングランド人のマーク・クラッテンバーグ氏だ。

 同氏は物議を醸す言動が問題視される"お騒がせレフェリー"ではある。しかし、国際審判の資格を有しており、2012年のロンドン五輪男子サッカー決勝や2015-16シーズンのチャンピオンズ・リーグ決勝、EURO2016のファイナルなど、数多の名勝負を裁いてきた実績を持っている。
 
 キャリアは十分のクラッテンバーグ氏は世界中で話題となった「三笘の1ミリ」を、英紙『Daily Mail』に投稿した自身のコラムで解説。「今回のワールドカップでは、審判のジャッジやVARに厳しい目が向けられ、ビデオテクノロジーには多くの人が怒り心頭である」と大会を通じたレフェリングに持論を投げかけたうえで、こう記した。

「日本は幸運に恵まれたと言える。あのプレーはある角度から見れば、ボールは外にあった。おそらく現場の判断は『ノーゴール』だった。しかし、VARを担当したフェルナンド・ゲレーロには現場のジャッジを覆すだけの確信があったはずなんだ。ただ私には、その見解が疑いの余地がないものだったかは分からない。そして、グループ敗退を余儀なくされたドイツが不満を持つのは十分に理解できる」

 審判界では百戦錬磨のクラッテンバーグ氏。彼の意見は、沈静化しつつあった論争に一石を投じるものとなった。

構成●THE DIGEST編集部

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