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「我々はロッキーだ」歴史を塗り替えたモロッコ指揮官が英メディアに熱弁!「アフリカ全体が誇りに思ってくれている」【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.12.11

強豪ポルトガルを破り、アフリカ勢で初めてW杯ベスト4に進出したモロッコ代表。レグラギ監督は試合後、選手たちから胴上げされた。(C)Getty Images

 現地12月10日、サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は準々決勝を終え、ついに4強が出揃った。
 
 死闘の末に王国ブラジルをPK戦で下したクロアチア、W杯の1試合歴代最多イエローカード16枚が乱れ飛んだオランダとの激闘を制したアルゼンチン、優勝候補イングランドを2-1で下したフランスなど、多士済々な強豪国が揃った。そのなかで、ひと際興味を引く国がある。アフリカ勢として初の4強に進出したモロッコだ。
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 準々決勝ポルトガル戦。アフリカの雄は、決して引かなかった。42分にユーセフ・エン=ネシリが左サイドからのクロスを"異次元"とも言える、打点の高いヘディングでモロッコが先制ゴールを奪う。思わぬ展開に、会場のボルテージは一気に上がった。

 ポルトガルは51分、決勝トーナメント1回戦のスイス戦に続きベンチスタートだった37歳のエース、クリスティアーノ・ロナウドを投入。畳みかけるような波状攻撃を続けたが、全員が身体を張り、ハードワークを厭わないモロッコから最後までゴールを割れず。そのままモロッコが歓喜のタイムアップを迎えた。

 過去のW杯でアフリカ勢はカメルーン(1990年)、セネガル(2002年)、ガーナ(2010年)のベスト8が最高成績だった。この日、『アトラス・ライオン(モロッコ代表の愛称)』が、ついに歴史の扉を開いた。会場に詰め掛けたモロッコサポーターは、「シーア、シーア(行け、行け)」「ディマ・マグリブ(モロッコよ永遠に)」と叫び、勝利の余韻に浸った。

 モロッコを率いるワリド・レグラギ監督は英公共放送局『BBC』に対し、「情熱、ハート、信念を示せば、成功することができる。ヨーロッパの人たちは奇跡だと言うかもしれないが、我々はポルトガル、スペイン、ベルギーに勝ち、クロアチアに無失点で引き分けたのだ。これはハードワークの結果だ」と、これまでの戦いが決してフロックではないことを強調した。

 加えて、「私たちは国民を幸せにし、誇りを持たせることができました。アフリカ大陸全体が誇りに思ってくれている。ロッキー・バルボアを見ると、彼を応援したくなるでしょう。我々はこのW杯のロッキーなんだ」と、代表チームを不朽の名作『ロッキー』に例え祝した。
 
 さらにモロッコ代表の快進撃について、欧州の名ウインガーも注目を注ぐ。80年代から90年代にかけて、プレミアリーグのチェルシーやエバートンで活躍した元スコットランド代表FWパット・ネヴィン氏は『BBC Radio 5』で、この試合を解説した。

「このスタジアムの騒音は信じられない程だ。W杯でこれほどの衝撃が起こったのはいつ以来だろうか」と感嘆の声を漏らし、「彼らは勝者に値する。技術や努力だけでなく、あの歓喜がずっと続いている」と、モロッコの勝利を称えた。

 アフリカ勢としてだけでなく、イスラム教徒が大多数を占める国のアラブ勢として初めてW杯ベスト4に進出したモロッコ。ファイナル進出を懸けた準決勝は現地14日22時にキックオフ。相手は、前回のW杯王者フランスと激突する。

構成●THE DIGEST編集部

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