ついに、リオネル・メッシ、そしてアルゼンチン代表がやった。

　現地時間12月18日に行なわれたカタール・ワールドカップ（W杯）の決勝で、アルゼンチンはフランス代表と対戦。互いに点を奪い合って３-３で迎えたPK戦を勝利し、1986年のメキシコ大会以来３度目の世界制覇を達成した。

　英雄ディエゴ・マラドーナが手にして以来の戴冠は、決して楽なものではなかった。60年ぶりとなる大会連覇を目指すフランスは、エースのキリアン・エムバペが躍動。突き放しても追いすがってきた。

　それでもアルゼンチンは粘った。そしてW杯において過去６回中５勝を挙げているPK戦では、抜群の勝負強さを発揮。守護神のエミリアーノ・マルティネスが相手２人目オーレリアン・チュアメニのシュートをストップすれば、キッカーは４人全員が危なげなく成功させた。

　今大会での代表引退を公言し、まさしく不退転の覚悟で臨んだ35歳の主将リオネル・メッシを中心に一致団結し、見事に栄冠を掴んだアルゼンチン。そんな英雄たちに母国メディアも賛辞を惜しまない。
  　アルゼンチンでも有数のネットワークを誇るスポーツ専門局『Tyc Sports』は「アルゼンチンサッカーにとって忘れられない日であり、感動的な瞬間だった」と興奮気味にレポートした。

「モンティエルが最後のPKを決めた瞬間、封じられてきた歴史の扉はこじ開けられ、ファンと選手たちの狂気が解き放たれた。そして25人のチームメイトとともに歴史を刻んだラ・プルガ（メッシのあだ名）にとっても、忘れられない瞬間となった。彼がワールドカップにキスをするあの光景は何千、何万、いやそれ以上に見ても飽きることはないだろう」

　さらに国内最大の日刊紙『Ole』は「神に栄光あれ、メッシに栄光あれ。運命は時に彼に対して残酷に思えたが、最高の復讐が待っていた」と歓喜。そして、長くメッシが比較されてきたマラドーナに、こうメッセージを発信している。

「ディエゴ、申し訳ない。今日、君も愛したメッシは永遠なる英雄になった。彼は歴史上最高の選手になったんだ」

　これ以上にないドラマチックな形で世界王者となったアルゼンチン。彼らへの反響はしばらく収まりそうにない。

構成●THE DIGEST編集部

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