現地時間12月18日に行なわれたフランス代表とのカタール・ワールドカップ（W杯）決勝で、アルゼンチン代表は３-３で迎えたPK戦に勝利。1986年のメキシコ大会以来３度目の世界一に輝いた。

　試合後に「本当にこれが欲しかったんだ」と“本音”を漏らしたアルゼンチンの主将リオネル・メッシは満面の笑みとともに、仲間たちと感慨に浸った。そんなエモーショナルな時間にあって、“ゲスト”として招かれていた男性の見せた奔放な振る舞いが批判を浴びている。

　物議を醸したのは、トルコ人シェフのソルトベイ氏の行動だ。“塩振りおじさん”としてSNSを中心に世界的な知名度を誇る彼は、試合終了直後に関係者たちにまぎれてピッチへ侵入。ワールドカップを片手にセルフィー写真を撮り、アルゼンチンの選手たちとも２ショットを収めようとしたのだ。

　ただ、彼の乱入にはメッシを含めて、多くのアルゼンチン代表選手やスタッフが「関係ないだろ」と言わんばかりの困惑の表情を浮かべ、その一部始終が現地で取材をしていた記者たちに捉えられた。それによって“塩振りおじさん”は批判の的となっている。

　英紙『Daily Mail』は「大御所のソルトベイはFIFAの規則を破った」と指摘し、FIFA（国際サッカー連盟）によって「優勝トロフィーに触れられるのは、優勝チームの関係者以外ではワールドカップ優勝経験者や各国首脳など、選ばれた人しか手にすることができない」と厳格なルールが定められていると強調した。
  　そのうえで同紙は「自分がスターたちと同様の大物だと勘違いをした彼は、メッシの注意を引こうとしてつかみかかったが、何度も拒否された」とピッチ上での振る舞いを批判。さらに米メディア『Complex』も「メッシは彼を拒否していたが、あまりにしつこかったためになくなく撮影に応じた。彼は自分がアルゼンチン代表の一員だと感じていたのかもしれない。だが、それは傲慢でしかない」と皮肉交じりに糾弾した。

　また、英紙『Mirror』のコリン・ミラー記者は、自身のツイッターに「最悪だ」と投稿。そして、こう断じた。

「とても恥ずかしい。まったくの恥知らずだと言える。エリートレベルにある選手が、ようやくキャリアの頂点と言える場所に立ち、最も感動的な瞬間に、FIFA会長の縁故で呼ばれたエゴの塊のような人間に嫌がらせを受けるなんて滑稽だ」

　ソルトベイ氏からすれば、「インフルエンサーとして招待された以上は、SNS活動を行なうのが当然」という認知だったのかもしれない。しかし、ルールを無視した行動は空気が読めなかったと言わざるを得ない。

構成●THE DIGEST編集部

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