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海外サッカー

メッシの戴冠で再び活発化するマラドーナとの比較論争!無意味な比べ合いには否定的意見も「時代が違う」【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.12.20

活発化しているマラドーナ(左)とメッシ(右)の比較論争。関係者はどのように考えているのか?(C)Getty Images

活発化しているマラドーナ(左)とメッシ(右)の比較論争。関係者はどのように考えているのか?(C)Getty Images

 カタール・ワールドカップ決勝は、アルゼンチン代表とフランス代表が歴史に残る激戦を展開し、PK戦の末に前者が実に9大会ぶり3回目の優勝を飾った。

 1986年大会の決勝同様、アルゼンチンは2-0のリードから勝利確定と思われた終盤に振り出しに戻されたが、36年前は90分間で勝負がついたのに対し、今回は延長戦に突入して再度リードを奪うも追いつかれ、11メートルの争いの末に頂点に立った。

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 カタールで念願の黄金のトロフィーを手にした大エース、リオネル・メッシの活躍は、1986年にメキシコで数々の伝説を創成して世界の頂点に昇り詰めた天才・ディエゴ・マラドーナの雄姿を思い起こさせる。「新たな王様」の戴冠を伝える際に、このレジェンドを引き合いに出し、「マラドーナに追いついた」「マラドーナを超えた」といった表現がなされるのも無理はない。

 そして、そこからまた両者の比較論争が活発になっているというが、メッシを苦しめたといわれる。偉大な先達との比較について、1986年大会でマラドーナとの名コンビで世界一に貢献したホルヘ・バルダーノが「2人の比較を止めようというのは良いアイデアだとは思うが、それは不可能だ」と断言。その理由は、「彼らの持つ特質が非常に似ているからだ」という(『FOX Sports』メキシコ版より)。

 2人の天才を良く知る元レアル・マドリーの名FWは、「マラドーナが全盛期に披露した芸術を、メッシはキャリアの終焉が近づいている35歳という年齢でやってのけた」と、メッシの凄さに言及しているが、「2人が我々に言いたいことは同じである。『これがサッカーだ』ということだ」と、やはり偉大さは同じだということを強調している。
 
 一方、今回のアルゼンチンでブレイクしたブライトン所属の23歳、アレクシス・マク・アリステルの父親で、かつてボカとアルゼンチン代表の両方でマラドーナとともにプレーした経験を持つカルロスは、ずっと自身の元僚友に傾倒していたというが、「今ならどちらが上から聞かれたら、メッシと答えるだろう」と語っている(『The Daily Star』より)。

 ただ、その理由が、これまで冷静さを保ってバルセロナで数々のタイトルを勝ち取ってきた彼が、カタールでは「マラドーナのように」初めて感情や表現力の豊かさを示したからだというのが、興味深い。

 そして彼は、時にどちらかに対する敬意を欠くことになる無意味な比較論争には否定的な姿勢を示し、「メッシを、マラドーナやアルフレド・ディ・ステファノを比べるのは止めよう。比較対象は、同じ現役選手であるべきだ」と主張した。
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