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元アズーリのD・バッジョがヴィアッリの死を「90年代のドーピングの影響」と指摘…「私自身も怖い」と当時の摂取物の調査を要求

THE DIGEST編集部

2023.01.19

所属クラブのチェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジには献花台が設けられ、多くのファンが訪れた。(C) Getty Images

 1月6日にすい臓がんにより58歳の若さで亡くなった元イタリア代表FWジャンルカ・ヴィアッリの葬儀が、17日にイギリス・ロンドン郊外の教会で執り行なわれた。

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 得点力の高いストライカーとしてクレモネーゼ、サンプドリア、ユベントス、チェルシーでプレーし、現役引退後はチェルシー、ワトフォードといったイングランドのクラブを率いた他、イタリア代表のアドバイザー、代表団長も務めたヴィアッリは、2017年にすい臓がんが発覚し、2020年4月に一度は完治したとされていたが、翌年12月に再発、以降はロンドンの病院で病との戦いを続けていたが、年明け早々に悲報が世界を駆けめぐった。

 葬儀に出席したのは30人余りと、彼の愛する家族(両親、兄弟、キャスリン夫人、娘のソフィアさんとオリビアさん)や近しい親族、友人に限られたが、その中にはサンプドリア時代からの大親友である現イタリア代表監督のロベルト・マンチーニの他、同じく親友でユベントス、ナポリなどでプレーしたマッシモ・マウロ、イタリア・サッカー連盟のガブリエレ・グラビーナ会長らが含まれ、大切な人に最後の別れを告げた。

 病に屈することなく、最後まで戦い続けたレジェンドの勇敢さには多くの人々が敬意を表し、その冥福を祈ったが、その中で、かつてユベントス、イタリア代表で共闘したことがあるディノ・バッジョが、ヴィアッリの死について「現役時代のドーピングが影響している疑いがある」と発言したことが、物議を醸しているという。

 現在51歳で、現役時代は運動量豊富で多様なプレーをこなし、得点力も備えたMFとして、ユベントス、インテル、パルマ、ラツィオ、ブラックバーンなどでプレーし、代表では1994年アメリカ大会、98年フランス大会という2つのワールドカップで活躍した経歴を持つ"もうひとり"のバッジョは、『TV7』のインタビューで、「私が21歳の時、ユベントスでチームメイトになったが、ヴィアッリはいつも良い言葉をかけ、成長を手助けしてくれた」と、偉大な先輩の思い出を回想するとともに、以下のようにも語っている。

「彼はあまりにも早く、我々の元から去ってしまった。私は、彼が現役時代に摂取した物質を調査する必要があると思う。1990年代は、ドーピングは常に我々の周囲に存在したからだ。一部のサプリメントが、時間の経過とともに害を及ぼす可能性があるのかどうかを理解する必要がある。彼に起こったことは、他にもあまりに多くの選手に起こっており、私自身も怖い」
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90年代、選手たちは「薬漬け」になっていた!?