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「敗北のハットトリック」インテルのCL惜敗でイタリア勢は欧州3大カップ決勝全敗… 母国メディアから「羨ましくない記録の保持者に」と嘆き

THE DIGEST編集部

2023.06.13

CL決勝でマンCに惜敗したインテル。(C)Getty Images

 2022-23シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)で13シーズンぶりに決勝の舞台に上がったインテルだったが、マンチェスター・シティに0-1で敗れ、4度目の欧州制覇を果たすことはできなかった。

 戦前は不利が予想されながらも、シモーネ・インザーギ監督による戦術が機能し、ポゼッションでは下回りながらも相手にプレッシャーをかけ続けて意図した通りに試合を進め、決定機も多く迎えたが、詰めの甘さとマンCの守護神エデルソンの好守などによって1点を奪うことができず、タイムアップの瞬間、懸命に戦い抜いた選手たちはピッチに崩れ落ちた。

 イタリアの国内メディアの反応はそれぞれで、スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は「インテルは大部分の時間帯でマンCと互角の関係で試合を進めたが、チャンスを浪費してしまった」、『Corriere dello Sport』紙は「インテルは拍手を受けながら退場。彼らはマンCを震撼させた」、そして『TUTTO SPORT』紙は「夢の中断。ミスと不運の代償を払った」と報じている。

 奮闘むなしく敗れた後、指揮官は「胸を張るべきだ。後悔はあるが、今季とこの試合でのパフォーマンスを誇りに思わなければならない。我々は間違いなく、好結果に相応しかった」と選手の労をねぎらい、「このスピリット、組織力があれば、我々は再びCLの決勝に戻ってこられると確信している」と、早くも来季以降に向けてのリベンジを誓った。
 
 今季インテルに加入してシーズン途中からサミル・ハンダノビッチから正GKの座を奪取し、この大一番でも好守を披露したアンドレ・オナナも、「サッカーとはこういうものだ、厳しくて不公平なものだ。しかし、我々は素晴らしい試合をした。結果を受け入れるのは簡単ではないが、今後も同じように試合に取り組み、またこの舞台に戻って来たい」と語ったが、英国の日刊紙『The Guardian』も「彼らにとってこれは単なる出発点に過ぎないと信じたい」と、自国のチームを大いに苦しめたインテルにエールを贈っている。

 ただ、同メディアは今後の「ネラッズーリ」については、「CL決勝進出によって1億ユーロ(約150億円)近い賞金を獲得し、新たなスポンサー契約も結んだが、パンデミック後の運営コストをカバーするために2億7500万ユーロ(約413億円)の緊急融資を2024年に返済する予定のインテルは、まだ損益分岐点に向けてさらなる措置を必要としている」と指摘。具体的には、現有戦力の売却でこれをカバーすることになると綴り、以下のように続けた。

「最も有力な候補は、昨夏にアヤックスからフリートランスファーで加入し、イスタンブールでも印象的なパフォーマンスを見せて知名度を高めたオナナだ。彼はそこに到達するまでに、すでにノックアウトラウンドでの6つの試合で5つのクリーンシートを達成している。しかし、成功をさらに積み上げようと努めているクラブにとって、これは痛い売却となるだろう。インテルは自分たちがまだ、旅の終わりではなく出発点にいると信じているが、今後の道のりには、乗り越えなければならない大きな障害が立ちはだかっている」
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「何ら非難すべきところはない」とのポジティブな評価も