今夏もまた、パリ・サンジェルマン（PSG）のキリアン・エムバペが移籍騒動を巻き起こしている。「これで６年連続だ」と強調するのはスペイン紙『アス』のトマス・ロンセロ記者で、その煮え切らない態度をこう糾弾する。

「我々マドリディスタはまたしても、エムバペの耐え難い気まぐれに右往左往させられている。スペインでは誰もが、今年と来年の一体どちらの夏にレアル・マドリーに来るのか、それとも永遠に来ないのか自問自答している。PSGはPSGで、2025年までの１年延長オプションを行使しないと告げられ、怒り心頭だ」

「母親は代理人業務の設立に興味があるのか、欧州サッカー界の重鎮を行脚し、息子が最高の選手であると吹聴して回っている。そして当の本人は、罪悪感に苛まれているかと思いきや、マイアミのビーチで優雅にバカンスを過ごしている。白いシャツを着ているのは、マドリーへのラブコールだって？　笑止千万だ！　彼の作るシナリオはもはや信じるに値しない」
  　エムバペは気まぐれな男――。スペインではすっかりこのイメージが定着しているが、実際のところ、動きがあるのは来夏の可能性が高いようだ。フランス紙『レキップ』は「今夏パリを離れることはない。もう１年PSGに残留し、来夏、フリーで退団することになる」と報じており、スペインメディア『Relevo』も、「来夏、エムバペはフリーでPSGを退団し、我々が迎え入れる」というマドリー関係者のコメントを紹介している。

　そんな中、『アス』紙の前編集長、アルフレッド・レラーニョ記者は、今夏の入団を予想。「マドリーが９番を空位にしたまま１シーズンを過ごすとは思えない。ましてやサンティアゴ・ベルナベウがリニューアルオープンする大事なシーズンにだ。フロレンティーノ・ペレス会長がハリー・ケイン（トッテナム）を認めていないのは周知の事実で、自ずとターゲットはエムバペに絞られる。しかも、ファイナンシャルフェアプレーに抵触する恐れがあるPSGは、主力の売却を迫られているのだ。ペレスなら、オペレーションの実現に向けて周到に青写真を用意しているだろうことは想像に難くない」と、マドリー会長の豪腕ぶりに期待を寄せる。

『マルカ』紙のマヌエル・フリア記者によれば、そのペレス会長は、時期については言及しなかったものの、ある少年ファンに「エムバペは必ずマドリーに来る」と約束したという。はたしてフランス代表のスピードスターは本当にマドリーに来るのか。来るとすればいつになるのか――。

構成●THE DIGEST編集部

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