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海外サッカー

31年前のシアラーから今夏のカイセドまで――30倍以上に高騰した“世界最高峰”プレミアリーグの移籍金最高額の系譜を振り返る

THE DIGEST編集部

2023.08.18

ブライトンからチェルシーへの移籍でプレミアリーグの移籍金最高値を更新したモイセス・カイセド。(C)Getty Images

ブライトンからチェルシーへの移籍でプレミアリーグの移籍金最高値を更新したモイセス・カイセド。(C)Getty Images

 去就が注目されていたブライトンのエクアドル代表MFモイセス・カイセドは、8月14日にチェルシーと8年契約を締結。英国での歴代最高額となる計1億1500万ポンド(約214億円)の移籍金は、大きな注目を集めた。

 今夏の移籍市場では、ウェストハムからアーセナルに加入したデクラン・ライスが1億500万ポンド(約195億円)という、英国人選手では歴代最高額の移籍金を記録していたが、この天文学的な金額をあっさり超えてしまうところに、現在のプレミアリーグのクラブの財政力の強さを感じさせる。

 1990年代に莫大なテレビ放映権料が各クラブに行き渡るようになり、さらに裕福なオーナーを迎え、スポンサー収入も大幅に増加したことで、プレミアリーグは欧州のライバル国が追随できないほどの財政基盤を築き、年々戦力補強に費やされる金額は上昇。移籍金記録の更新頻度の高さも、欧州の列強国のリーグでは一番だという。
 
 英国のサッカー専門サイト『90min』は、1992年のプレミアリーグ創設以降、毎年夏冬の移籍市場ごとに国内における最高額記録の更新の系譜を振り返っているが、31年前に記録された最初の最高値は、のちにイングランド・サッカーのレジェンドとなるアラン・シアラーが、21歳でブラックバーンに移籍した際にサウサンプトンに支払われた360万ポンド(約6億7000万円)である。

 最高額が1000万ポンド(約19億円)の大台に上がったのは1996年。前年度のボスマン裁定がサッカー界に甚大な影響を及ぼす中での移籍金高騰の先駆けとなったのも、今度はニューカッスルに新天地を求めたシアラーだった。そこからの上昇ぶりは凄まじく、5年後の2001年夏には、ルート・ファン・ニステルローイがPSVからマンチェスター・ユナイテッドへ移籍した際に、2810万ポンド(約52億円)が動いた。

 2011年にフェルナンド・トーレスを売却したリバプールがチェルシーから受け取った移籍金は5000万ポンド(約93億円)に達したが、それから10年後にはジャック・グリーリッシュ(アストン・ビラ→マンC)のビッグディールで2倍(1億ポンド=約186億円)の金額が動くことになり、その後も上昇は続いている。
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