プレミアリーグ第２節のボーンマス戦、リバプールの遠藤航はチーム加入からわずか２日目で交代出場を果たし、新天地デビュー戦を白星（３-１）で飾っている。

「レッズ」のこの電撃的な戦力補強に対しては懐疑的な見方も少なくなかった。しかし、この日本人MFが数的不利（中盤の中心であるアレクシス・マク・アリステルが退場）の厳しい状況下でピッチに立ち、及第点以上のプレーを披露すると、現地メディアからは彼に対するポジティブな評価が１週間前より多く聞かれるようになった。

　日刊紙『Daily Mail』のルイス・スティール記者は、ボーンマス戦後、ユルゲン・クロップ監督のもとに数多くの関係者から遠藤を獲得したことへの称賛の声が届いたと明かし、そしてこの指揮官自身も、「数か月間、遠藤のプレー映像を見て、とくに彼の人柄に感銘を受けた。この日本人選手は感染力のある笑顔とリーダーの素質を持っている。また、負傷も極めて少なく、右SBとCBでもプレーできる能力を持っている。これは必要な特性だ」と遠藤を称賛している。
  　さらに同記者は、「たった1620万ポンド（30億円弱）の支出で済んだことにより、リバプールには財政的な余裕が生まれ、他の補強が可能になった。実際、そのような動きが続いているが、遠藤の加入によってチームの状況は良化された」とも語り、チームにとってさまざまな見地からも有益な補強だったことを強調した。

　一方、リバプールのクラブ専門メディアのひとつである『ANFIELD WATCH』は、昨季までのシュツットガルト時代のスタッツなどを用いて、遠藤の補強が具体的にリバプールにどれほどの効果をもたらすかを検証している。まずはその豊富な運動量とプレーエリアの広さを称賛。彼がピッチのほぼ全域をカバーしていることを示す昨季のヒートマップを紹介して、そのオフ・ザ・ボールでの精力的な動きを「リバプールの中盤に最も欠けていた要素だ」と指摘する。