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Jリーグ・国内

「中村俊輔は史上最高のフリーキッカー」引退試合を見届けた英記者がセルティック時代の”伝説FK弾”を回顧「レーザービームのように正確」

THE DIGEST編集部

2023.12.18

引退試合を終え、ファンの声援に応える中村。セルティック時代の功績が再脚光を浴びている。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

引退試合を終え、ファンの声援に応える中村。セルティック時代の功績が再脚光を浴びている。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 日本サッカーが誇る左利きのファンタジスタが、最後の雄姿を披露した。

 昨年10月、26年にわたる現役生活に終止符を打ち、引退を発表した元日本代表の中村俊輔氏が12月17日、神奈川県・横浜市のニッパツ三ツ沢球技場で自身の引退記念試合『SHUNSUKE NAKAMURA FAREWELL MATCH』を行なった。

 中村氏と縁の深い豪華メンバーが三ツ沢に集結した。過去、オリンピックやワールドカップ(W杯)などを一緒に戦った川口能活、小野伸二、稲本潤一、遠藤保仁。さらには日本がW杯初出場を果たしたフランス大会から3大会連続で出場したレジェンド・中田英寿もサプライズ登場。日本サッカーが急速な成長を遂げた時代を彩った顔ぶれに、ファンは大いに沸いた。

 無論、中村氏も戦友らに負けじとプレーで魅せた。同氏は前半、横浜FC FRIENDSの一員として出場。フリーキック(FK)で2点、華麗なパスワークから利き足ではない右足でゴールをゲットした。

 J-DREAMS側でプレーした後半も、中村氏は再びFKのチャンスを得る。ボールをセットした背番号10は左足を振り抜くと、綺麗な放物線を描きネットを揺らした。そして、終了間際にも左足を一閃し、ダメ押し。試合はJ-DREAMSが6-3で勝利を収めた。
 
 両チームのプレーヤーとして出場し、計6点を挙げる大活躍。現役時代、自身の代名詞だったFKで「ハットトリック」を達成する離れ業を成し遂げ、中村氏はピッチに別れを告げた。

 引退試合に熱い視線を注いだのは、日本だけではない。スコットランド・セルティック時代、中村氏の華麗で正確無比なフリーキックの衝撃が忘れられないジャック・ケンメア記者は英スポーツメディア『Sportbible』に、この試合のマッチリポートを寄稿している。

 サッカーの母国で日本人の引退試合がリポートされるのは異例であり、前代未聞だと言っても過言ではない。記事の見出しには、「セルティックと日本代表のレジェンド」と敬意を表しながら、「シュンスケ・ナカムラが、引退試合でフリーキックのハットトリックを達成した」と銘打たれ、配信された。

 同記者は「スコットランド・プレミアシップのセルティックに4年間在籍し、166試合に出場して33ゴールを挙げた45歳の攻撃的ミッドフィルダーは、素晴らしいセットプレーを決めることで有名だった」と言及。セルティックで成し遂げた数多くの”伝説”を回顧した。

 そのなかでも特に印象深いゴールを2つ挙げている。

 まずは16年前、劇的FKでリーグ優勝に導いたキルマーノック戦。そして次に、2006-07シーズンの欧州チャンピオンズリーグで、強豪マンチェスター・ユナイテッドを撃破した伝説的FK2発を振り返り、「ナカムラは史上最高のフリーキッカーとして歴史に名を残すだろう」と太鼓判を押している。

 メモリアル試合で、特別に作られたユニホームに袖を通した元日本代表の雄姿をしっかりと見届けたケンメア記者は、稀代のファンタジスタに労いの言葉を送っている。

「ナカムラは1997年にJ1の横浜F・マリノスでプロとしてのキャリアをスタートさせ、その後レッジーナ(イタリア)、セルティック(スコットランド)、エスパニョール(スペイン)、横浜F・マリノス、ジュビロ磐田、横浜FCと渡り歩いた。日本代表として98試合に出場し24ゴールを記録。レーザービームのように正確なフリーキックが記憶に残ることだろう。引退おめでとう、シュンスケ」

構成●THE DIGEST編集部

【動画】マンUを沈めた中村俊輔の伝説FK(1分58秒~)
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