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海外サッカー

スペイン4部で戦う中井卓大、現地メディアは「継続性」さえあれば、「2部で上位につけるトップチームでプレーする機会を得られる可能性も」と言及

下村正幸

2025.02.16

今冬、出場機会を求めてラージョ・カンタブリアに新天地を求めた中井。(C)Getty Images

今冬、出場機会を求めてラージョ・カンタブリアに新天地を求めた中井。(C)Getty Images

 中井卓大のキャリアに再び分岐点が訪れた。昨季はラージョ・マハダオンダ、今季はアモレビエタとレンタル生活が続いているが、今冬の移籍市場でラージョ・カンタブリア(4部)へ新天地を求めたのだ。
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 ラージョ・カンタブリアはラシン・サンタンデールのリザーブチーム(Bチーム)に当たる。ラシンと言えば、2011-2012シーズンを最後に1部リーグから降格して以来、2部と3部を行ったり来たりしながら長い低迷期を経験しているが、スペインを代表する名門クラブのひとつだ。

 その中井の加入を報じる記事で、地元メディア『ALERTA』は、「前所属のアモレビエタでは、加入当初こそ出番を得たが、その後は限定的だった。11試合に出場し、そのうち8試合に先発した」と説明している。実際、そのスタメン出場は開幕からの8試合で、加入の決め手となったフレン・ゲレーロ監督が10月末に解任されると出番が激減していた。

『ALERTA』はまた中井に対し「継続性の欠如は、彼のキャリアにおける最大の弱点の1つだ」と伝えている。同様の評価は、ラシンの専門サイト『Racinguismo.com』でもされており、「中盤が本職だが、短いキャリアの中で、アンカー、インサイドハーフ、トップ下、ウイング、FWと複数のポジションでプレーしている一方、継続性に欠けていたため、ほとんど何もプレーしていないのと同じ」というのが、中井のスペインにおける現在地と言える。
 もっとも、前述の『Relevo』のインタビューで中井は、「(自分自身に関わりのある)ニュースなどは読まない。興味がないんだ。日本でも常にいろんな情報が出回っているようだけど、僕はただピッチの上で自分の力を証明したいだけ。サッカーを始めた頃から僕は僕のままで、楽しむ気持ちも変わっていない。だからそういったニュースを気に留めることはない」と述べ、こう続けた。

「自分のやるべきことをやるだけだ。プレッシャーを感じたことは一度もない。むしろ、注目されることで自信につながるし、パワーにもなる。ラージョ・マハダオンダでは多くのことを学んだ。練習環境はマドリーと同じというわけにはいかなかったけど、日本にいた時にプレーしていたクラブと比べると、とても充実していた。何よりも他のチームやチームメイトからたくさんのことを学ぶことができて感謝している。ラージョ・マハダオンダでの経験が僕を大きく成長させてくれた」などと、物事を前向きに捉える姿勢が印象的だった。

 出場時間などの数字ばかりに目が行きがちだが、異国の地で逞しさを増しているのは言葉の端々から伺える。新天地でも熾烈な競争が続いていくことになるが、『ALERTA』はその展望について「本来のポジションは中盤だ。現在2部で上位につけるトップチームで練習しプレーする機会を得る可能性もある。なぜならラシンのホセ・アルベルト・ロペス監督は、ラージョ・カンタブリアの複数の選手をそのポジションで試してきたが、いずれも満足する結果を得られていないからだ」とまで言及している。

 もちろんまずは適応し、残留争いに巻き込まれているチームの起爆剤になることが先決だ。言うまでもなくサッカー選手は試合に出てナンボだ。マドリー、ラージョ・マハダオンダ、アモレビエタでそれぞれ学んできたことを糧にした中井の新たな“継続性探し”の挑戦が始まった。

文●下村正幸

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