三笘薫の周辺が相変わらず騒がしい。

　英国の公共放送『BBC』は１月に、所属するブライトンがサウジアラビアからの7500万ポンド（約143億円）の巨額オファーを拒否したと報じているが、スペインの『フィチャヘス・ネット』などは２月に入ってからも、「プレミアリーグを代表する３つのクラブ、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシーがミトマの獲得を狙う」、「チェルシーがブライトンの主力、ミトマに9000万ユーロ（約144億円）のオファーを提示」、「注目！ミトマが今夏の移籍市場の爆弾に！」と、繰り返し三笘の移籍関連情報を発信している。

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　なかには、信憑性が高いとは言えない記事も見受けられるが、三笘が今夏の移籍マーケットの注目銘柄になっていることを示す一例であることは確かだ。

　ブライトンは近年、ベン・ホワイト（現アーセナル）、マルク・ククレジャ（現チェルシー）、モイセス・カイセド（現チェルシー）、アレクシス・マク・アリステル（現リバプール）といった主力を高額で売却することに成功している。三笘の現行契約は2027年６月まで。５月に28歳の誕生日を迎える。タイミング的に売り時ではあるだろう。しかし前述した通り、ブライトンはサウジアラビアからの巨額オファーを拒否した。

　データサイト『FOTMOB』は、この戦略転換について、「ミトマを売却せずにチームにとどめるという決断は、ブライトンの移籍市場における焦点が少し変化したことを反映しているのかもしれない。プレミアリーグでさらに順位を上げるには、トップクラスの選手をできる限り引き留めておく必要があるという結論に達したのだろう。移籍市場が開くたびに、主力流出の穴埋めに奔走させられているようなクラブが、一体どうしてチャンピオンズリーグの出場権を獲得することができようか」と解説している。
  「こんなスペシャルな瞬間は滅多に見られるものではないが、彼はそのために懸命に努力している。クラブに完全にコミットして、日々成長することを掲げて取り組んでいる。真のプロフェッショナルだ。おまけにスーパーゴールも決めてくれる」とプレミアリーグ第25節チェルシー戦（３－０）後に手放しで称賛していたように、ファビアン・ヒュルツェラー監督の三笘への信頼は絶大だ。

「ミトマは自身を引き留めたクラブの決断の正統性を実証している。ギアを一段上げ、今年2月の公式戦４試合では３ゴールを決めている」と『FOTMOB』が指摘しているように、冬の移籍市場が閉鎖された後、三笘はパフォーマンスを向上させている。

　チームもその活躍に引っ張られるように目下公式戦５連勝中で、欧州カップ戦の出場権争いに食い込んできた。いま三笘は周囲の喧騒をよそに、今シーズンの残り試合の戦いに専念しているはずだ。『FOTMOB』の記事は次のように締めくくられている。

「今のところ、ミトマは青と白のストライプのユニホームで輝きを放っている。そしてこのパフォーマンスを続けていれば、夏を迎える頃には、ビッグクラブのミトマへの関心はさらに高まっているはずだ。サウジアラビアから提示された7500万ポンドよりも高額なオファーが舞い込む可能性もある」

文●下村正幸

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