日本代表

「打開策を見つけられず」サウジとスコアレスドローの日本が残した「課題」を海外メディアが指摘!「森保監督は密かに喜んでいるかも」

THE DIGEST編集部

2025.03.26

1点が奪えなかった日本。この前田の決定的なシュートもバーを叩いた。(C)Getty Images

 3月25日に行なわれた2026年北中米ワールドカップのアジア最終予選第8節、日本代表とサウジアラビア代表との一戦はスコアレスドローに終わった。
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 前節バーレーン戦で8大会連続8回目の本大会出場を決めた日本は、現在グループCの3位につける中東の雄を埼玉に迎え、大部分の時間帯で攻勢を維持し、前田大然のポストを叩くシュートなど、幾度も敵陣ゴールに迫ったものの、徹底的に引いたサウジの牙城を最後まで崩せず、今予選では4節オーストラリア戦以来2度目のドロー決着となった。

 AFC(アジア・サッカー連盟)は公式サイトで「サウジが圧倒的な強さを見せた日本を抑え、貴重な勝点1を獲得」と伝え、地力で劣るアウェーチームの奮闘ぶりを強調。当のサウジの日刊紙『ARAB NEWS』は「日本戦での結果は良かった」とポジティブに報じ、エルベ・ルナール監督の「もし試合の24時間前に勝点をもらえると言われたら、それを受け入れていただろう」とのコメントを「それは当然だ。相手はすでに予選突破を決めていたとはいえ、アジア最強のチームだからだ」と綴っている。

 同メディアは、「攻撃では相手に脅威を与えることはほとんどなかった」と指摘しながらも、なりふり構わず守りに徹した自国代表チームについて、「集中力、戦術的な規律、そしてハードワークは素晴らしかった。『グリーンファルコンズ』は、アウェーで格上の相手を苦しめ、時には運にも助けられながらも、日本が過去14試合のW杯予選でポイントを落とした2番目のチームとなった」と評した。

 また残り2試合についても言及し、自国が9節でバーレーン戦に絶対勝つことを前提とした上で、同じ節で現在2位のオーストラリアと対戦する日本に「パースでの一戦、両国の間にはライバル関係があるため、『サムライブルー』がオーストラリアのW杯出場に打撃を与えることを楽しむかもしれない」と"援護"を期待し、「オーストラリアとの最終節を同勝点で迎え、勝った方がストレートインでのW杯出場という状況になれば、ルナール監督は大満足だろう」と報じている。
 
 一方、アメリカのスポーツ専門チャンネル『ESPN』は日本のプレーに注目し、「本大会出場を決めた高揚感の後では、これまでと同じ勢いを維持するのは難しかったのかもしれず、期待値も多少下がっていたとはいえ、埼玉スタジアムに集まった5万8003人の観客にとってはやや物足りないものだった。試合は、サウジが積極的な攻撃を見せなかったことも影響して『精彩を欠いた』と形容できるもので、実際のところ退屈な展開だった」と厳しめに綴った。

 ただ、「2023年11月に予選が始まって以来、ほぼ完璧な戦いを続けてきたことを考えれば、あまり厳しく批判するのも適切ではない。すでにW杯出場を決めていた中で、森保一監督がスタメンを大幅(6人)に入れ替えたのは妥当な判断だった」と、試合へのアプローチの仕方には問題がなかったとの見解も示している。

 そして、この一戦から見えてきた日本の課題を指摘。まず、サウジのようなアジアのトップレベルの国が守りを固めて臨んできた場合に、「打開策を見つけられなかった」ことを挙げ、「これは、前回のW杯でも見られた現象だ。日本はドイツとスペインに劇的な勝利を収めた一方で、コスタリカには敗北。この試合では、相手が守備を固めて日本の攻撃をしのぎ、わずかなチャンスを活かして勝利を手にした。森保監督は、プランAが機能しない場合の新たな策を見つける必要がある」。

 他にも、クロスの精度を欠き、そこでは伊東純也と中村敬斗のミスが目立ったこと、また森保監督が固定したメンバーで戦うことを重視する傾向がある中で、今回新たにスタメン起用された選手が「十分なパフォーマンスを発揮できなかった」として、「これまで途中出場で印象的なプレーを見せていた鎌田大地と前田大然も、『もっと早くから起用されるべきだった』と思わせるようなプレーは見せられなかった」と厳しく評した。

 そして、「今の日本は、かつての彼らとは違う。もはやW杯に出場することに満足する段階は終わった。日本は2050年までにW杯優勝を目指すと公言しているが、W杯を制するに値するチームであれば今回、サウジの堅守を打ち破る方法を見つけていたはずだ。森保監督自身も、今の日本にはまだ改善の余地があることを認めている。彼は今回の期待外れの結果により、改善に向けてどこから着手すべきかのヒントを得られたということで、密かに喜んでいるかもしれない」と記事を締めている。

構成●THE DIGEST編集部

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