元FIFA(国際サッカー連盟)会長のゼップ・ブラッター氏、元FIFA副会長&UEFA(欧州サッカー連盟)会長のミシェル・プラティニ氏が、2011年にFIFAの資金200万スイスフラン(約3億4000万円)を不正に流用したとして起訴されていた事件で、3月25日にスイスの控訴裁判から2度目の無罪判決を下された。
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2022年7月の最初の無罪判決を不服として上訴し、スイスの検察がFIFAとUEFAの元会長であるふたりに対し、1年8か月の執行猶予(2年)付き禁固刑を求刑していたが、スイス北西部のミュッテンツで開かれた連邦刑事裁判所の特別控訴審では、両被告の「コンサルティング業務の報酬だった」という説明が認められ、無罪が言い渡されている。
英国の日刊紙『The Guardian』は、現在89歳のブラッター氏が3人の州判事による控訴審判決を聞きながら、指を叩いたり、左手を口元に当てたりしていた一方で、その前列に座った69歳のプラティニ氏は腕を組んだり、手を擦ったりしながら、隣に座る通訳がドイツ語での判決を母国語のフランス語に訳すのを聞いていたと伝えた。
裁判の争点は、1998年から2002年にかけてFIFA会長顧問として働いたプラティニ氏に対し、2011年にFIFAから支払われた報酬だった。検察当局は、この支払いには「法的根拠がなく」、契約書も存在しなかったため「プラティニ氏を不当に利するものだった」と主張していた。
しかし、両者は「1998年から2002年の間に行なったアドバイザリー業務の追加報酬として、後払いするという口頭での紳士協定があった」と一貫して主張。FIFAの財政状況が厳しかった当時は支払われず、後に補填されたものだと説明。これについてフランスの日刊紙『Le Monde』は、プラティニ氏が「私は冗談交じりに、『年間100万……単位は何でもいい。ルーブルでも、ペセタでも、リラでも(笑)』と言ったら、ブラッター氏が『100万スイスフラン(約1億7000万円)だ』と答えた」と法廷で語ったことを伝えている。
検察は、プラティニ氏とFIFAとの契約内容との矛盾や、通常の契約形態と大きく異なる点を指摘。また、FIFAの財務状況を示す監査報告によると、当時FIFAには十分な資金があったことも明らかにしたが、今回の控訴審では、被告2人の証言が「重要な点において概ね整合性が取れていた」と判断され、またプラティニが自身の名声と経験に見合った報酬を受け取ることも「妥当である」と認められた。
判決後、ブラッター氏は「娘が涙を流しているのを見た。彼女は父親を信じていたし、私自身も自分を信じていた」と語り、「長い間この問題を抱えていたことで私自身や家族にも大きな影響があった」と述べ、一方のプラティニ氏の弁護士であるドミニク・ネレン氏は声明で「ミシェル・プラティニは、刑事問題から解放されるべきだ。2度の無罪判決を受けた今、スイスの検察当局はこの刑事訴追が完全に失敗したことを認識しなければならない」と主張した(『The Guardian』紙より)。
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2022年7月の最初の無罪判決を不服として上訴し、スイスの検察がFIFAとUEFAの元会長であるふたりに対し、1年8か月の執行猶予(2年)付き禁固刑を求刑していたが、スイス北西部のミュッテンツで開かれた連邦刑事裁判所の特別控訴審では、両被告の「コンサルティング業務の報酬だった」という説明が認められ、無罪が言い渡されている。
英国の日刊紙『The Guardian』は、現在89歳のブラッター氏が3人の州判事による控訴審判決を聞きながら、指を叩いたり、左手を口元に当てたりしていた一方で、その前列に座った69歳のプラティニ氏は腕を組んだり、手を擦ったりしながら、隣に座る通訳がドイツ語での判決を母国語のフランス語に訳すのを聞いていたと伝えた。
裁判の争点は、1998年から2002年にかけてFIFA会長顧問として働いたプラティニ氏に対し、2011年にFIFAから支払われた報酬だった。検察当局は、この支払いには「法的根拠がなく」、契約書も存在しなかったため「プラティニ氏を不当に利するものだった」と主張していた。
しかし、両者は「1998年から2002年の間に行なったアドバイザリー業務の追加報酬として、後払いするという口頭での紳士協定があった」と一貫して主張。FIFAの財政状況が厳しかった当時は支払われず、後に補填されたものだと説明。これについてフランスの日刊紙『Le Monde』は、プラティニ氏が「私は冗談交じりに、『年間100万……単位は何でもいい。ルーブルでも、ペセタでも、リラでも(笑)』と言ったら、ブラッター氏が『100万スイスフラン(約1億7000万円)だ』と答えた」と法廷で語ったことを伝えている。
検察は、プラティニ氏とFIFAとの契約内容との矛盾や、通常の契約形態と大きく異なる点を指摘。また、FIFAの財務状況を示す監査報告によると、当時FIFAには十分な資金があったことも明らかにしたが、今回の控訴審では、被告2人の証言が「重要な点において概ね整合性が取れていた」と判断され、またプラティニが自身の名声と経験に見合った報酬を受け取ることも「妥当である」と認められた。
判決後、ブラッター氏は「娘が涙を流しているのを見た。彼女は父親を信じていたし、私自身も自分を信じていた」と語り、「長い間この問題を抱えていたことで私自身や家族にも大きな影響があった」と述べ、一方のプラティニ氏の弁護士であるドミニク・ネレン氏は声明で「ミシェル・プラティニは、刑事問題から解放されるべきだ。2度の無罪判決を受けた今、スイスの検察当局はこの刑事訴追が完全に失敗したことを認識しなければならない」と主張した(『The Guardian』紙より)。
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