レアル・マドリーの補強攻勢が止まらない。ディーン・ハイセン(ボーンマス)の獲得が決定し、トレント・アレクサンダー=アーノルド(リバプール)の加入も秒読み段階。さらに、アルバロ・カレラス(ベンフィカ)にも触手を伸ばしている。
【動画】バルサ、大逆転でエル・クラシコに勝利!
新監督に就任予定のシャビ・アロンソ(公式発表はまだ)の要望を受け、マルティン・スビメンディの獲得も試みていたが、こちらは対応の遅れが響いた。地元紙『ノティシアス・デ・ギプスコア』によれば、「アーセナルとソシエダの間ではすでに数か月前に合意が成立していた」とされ、マドリーの出遅れを指摘している。
それでも、方針転換のスピード感は異例だ。契約解除金5800万ユーロの全額支払いに消極的とされていたハイセンに関しても、最終的には一気に獲得をまとめた。なにかスイッチが入ったかのような動きの変化が如実に表われている。
近年、マドリーはジュード・ベリンガムやキリアン・エムバペといったビッグネームのアタッカー獲得には積極的だったが、守備陣への大型投資は控えめだった。例外は5000万ユーロを投じたエデル・ミリトンくらいで、ダビド・アラバやアントニオ・リュディガーのようにフリートランスファーでの補強がメイン。怪我人続出による緊急事態にも関わらず、本格的な補強は見送られてきた。
そんな方針が急変した理由のひとつには、来月開幕するクラブW杯がある。シャビ・アロンソ体制の初陣に向けて、チーム再編は待ったなしだ。ただ、それだけではない。中盤から前線にかけても、ニコ・ウィリアムス(アスレティック)、フロリアン・ヴィルツ(レバークーゼン)、エンソ・フェルナンデス(チェルシー)、フランコ・マスタントゥオーノ(リーベル・プレート)らの獲得が報じられ、補強は全方位に及ぶ。
これはクラブとフロレンティーノ・ペレス会長が本気で動き出した証拠でもある。背景には、今シーズン国内三冠を達成したバルセロナの存在がある。ジャーナリストのサンティアゴ・セグロラウ氏は、方針転換の理由をこう分析する。
「クラシコ4連敗は、ただの統計じゃない。両クラブの力関係が完全に逆転した証だ。バルサはマドリーの輝きを覆い隠すシーズンを送り、エムバペやベリンガム、ヴィニシウス・ジュニオールらを擁してもそれを阻止できなかった。ペレス会長にとっては衝撃的なシナリオだ。2009年や2010年のように再び移籍市場で勝負をかけるべき瞬間が来ている」
当時、ペレス会長は手加減をしなかった。クリスティアーノ・ロナウド、カカ、カリム・ベンゼマ、シャビ・アロンソを一挙獲得し、翌年にはメスト・エジル、アンヘル・ディ・マリアを加えた。さらにジョゼップ・グアルディオラ監督率いるバルサに対抗するため、ジョゼ・モウリーニョを監督に招聘した。そして今、同じような補強の嵐が吹き荒れようとしている。
2年前のように、バルサの優勝にまるで動じず無反応だった頃とは空気が違う。ライバルが示す変革と躍進に、ペレス会長は脅威を感じている。その反応が、今の補強攻勢につながっている。スター軍団の看板に甘んじ、気楽に構えていたマドリーに、変革を選択したバルサは圧倒的な勝利を収めた。マドリーはその現実を受け入れ、再び牙を研ぎ直している。
もちろんこのマドリーの動きを目の当たりにして、バルサもさらにモチベーションを強くしていることだろう。強烈なライバル意識を基にしたお互いの切磋琢磨が来シーズンのラ・リーガ、クラシコをさらに盛り上げる。
文●下村正幸
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それでも、方針転換のスピード感は異例だ。契約解除金5800万ユーロの全額支払いに消極的とされていたハイセンに関しても、最終的には一気に獲得をまとめた。なにかスイッチが入ったかのような動きの変化が如実に表われている。
近年、マドリーはジュード・ベリンガムやキリアン・エムバペといったビッグネームのアタッカー獲得には積極的だったが、守備陣への大型投資は控えめだった。例外は5000万ユーロを投じたエデル・ミリトンくらいで、ダビド・アラバやアントニオ・リュディガーのようにフリートランスファーでの補強がメイン。怪我人続出による緊急事態にも関わらず、本格的な補強は見送られてきた。
そんな方針が急変した理由のひとつには、来月開幕するクラブW杯がある。シャビ・アロンソ体制の初陣に向けて、チーム再編は待ったなしだ。ただ、それだけではない。中盤から前線にかけても、ニコ・ウィリアムス(アスレティック)、フロリアン・ヴィルツ(レバークーゼン)、エンソ・フェルナンデス(チェルシー)、フランコ・マスタントゥオーノ(リーベル・プレート)らの獲得が報じられ、補強は全方位に及ぶ。
これはクラブとフロレンティーノ・ペレス会長が本気で動き出した証拠でもある。背景には、今シーズン国内三冠を達成したバルセロナの存在がある。ジャーナリストのサンティアゴ・セグロラウ氏は、方針転換の理由をこう分析する。
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当時、ペレス会長は手加減をしなかった。クリスティアーノ・ロナウド、カカ、カリム・ベンゼマ、シャビ・アロンソを一挙獲得し、翌年にはメスト・エジル、アンヘル・ディ・マリアを加えた。さらにジョゼップ・グアルディオラ監督率いるバルサに対抗するため、ジョゼ・モウリーニョを監督に招聘した。そして今、同じような補強の嵐が吹き荒れようとしている。
2年前のように、バルサの優勝にまるで動じず無反応だった頃とは空気が違う。ライバルが示す変革と躍進に、ペレス会長は脅威を感じている。その反応が、今の補強攻勢につながっている。スター軍団の看板に甘んじ、気楽に構えていたマドリーに、変革を選択したバルサは圧倒的な勝利を収めた。マドリーはその現実を受け入れ、再び牙を研ぎ直している。
もちろんこのマドリーの動きを目の当たりにして、バルサもさらにモチベーションを強くしていることだろう。強烈なライバル意識を基にしたお互いの切磋琢磨が来シーズンのラ・リーガ、クラシコをさらに盛り上げる。
文●下村正幸
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