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「閉店セールでもやっているのか」新体制ミランに相次ぐ「主力売却」報道 現地メディアは来季戦力に危機感「気にしているのは財務だけ」と苦言

THE DIGEST編集部

2025.06.06

無冠に終わったミラン。新体制での船出には早くも波乱の匂いが漂っている。(C) Getty Images

 今季、セリエAで8位に沈んだミランは、来季の欧州カップ出場権を得られず、クラブ首脳陣も認める「失敗に終わった」シーズンを過ごした。

【動画】ミランの今季最終節モンツァ戦ハイライト
 立て直しに着手している今、「ロッソネーリ」はまずスポーツディレクターにラツィオで実績を作ったイグリ・ターレを招聘し、監督には2010-11シーズンから3年半ほどミランを率いてスクデットも獲得したマッシミリアーノ・アッレーグリを復帰させた。この人事については、概ね好意的な反応が多く、クラブ全体を落ち着かせ、堅実なチームを創り出すには適切な起用だと見られているようだ。
 
 そして戦力補強では、レアル・マドリーで6回のチャンピオンズ・リーグ優勝を果たし、クロアチア代表としては2018年ロシア・ワールドカップで準優勝、そして同年に個人賞の最高峰であるバロンドールを受賞した39歳のMFルカ・モドリッチの加入が間近と複数のメディアによって報じられている。

 イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、「モドリッチがセリエA、そしてアッレーグリ監督率いるミランで活躍できる可能性は非常に高いと言える。ミランは堅実で組織的なチームを目指すと想定されており、モドリッチはそこで秩序と創造性の両面をもたらす選手となるだろう。そして何より、ピッチ内外での圧倒的なリーダーシップを持つ存在だ」と太鼓判を押し、「ロッソネーリでの『最後のダンス』が実現することを心から願いたい」と綴った。

「セリエAの戦術的なスタイルへの適応も問題なく、視野、技術、判断力、そしてプレーしたいという情熱は今も不変」(同メディア)の到来はミラニスタの心を躍らせるだろうが、その一方で彼らに不安を与えるようなニュースも幾つかもたらされている。これまでの主力選手の移籍を示唆するものである。

 今季はやや「問題児」と化していた攻撃的なSBテオ・エルナンデズのサウジアラビア(アル・ヒラル)行きの可能性はまだ良しとしても、マンチェスター・シティへの売却で合意に達したと報じられた今季のセリエA最優秀MFであるティジャニ・ラインデルスに対しては、ミランOBのズボニミール・ボバンが「優秀な選手を売っていては、チーム創りなどできないよ。それはミランを最高の形に創り上げるための道ではない」と批判している(ミランのクラブ専門サイト『Milan News.it』より)。

 このオランダ代表MFの移籍金として、ボーナス込みで7500万ユーロ(約123億円)がもたらされるという。『Gazzetta dello Sport』紙は、「モドリッチは年齢的にラインデルスの後釜とみなすことはできない」として、中盤の新戦力に注目し、ユベントス時代にアッレーグリ監督は良い関係にあった現マルセイユのアドリアン・ラビオ、そして同じくフランス代表のマテオ・ゲンドゥジ(現ラツィオ)が候補に挙がっていること、また守備的MFについてはターレSDのリサーチが続いていることを報じた。
 
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