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海外サッカー

「ペレが蒔いた種は後に芽吹いた」 “神様”がアメリカとサッカーを結び付けた50年前の「記念日」をブラジルメディアが回想「確かに今も息づいている」

THE DIGEST編集部

2025.06.20

ニューヨーク・コスモス時代のペレ。(C) Getty Images

ニューヨーク・コスモス時代のペレ。(C) Getty Images

 現在、アメリカではFIFAによる新たなビッグイベントであるクラブワールドカップが開催されている。この国は来夏、今度は世界最大のスポーツイベントであるワールドカップの舞台となる。

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 現在はCONCACAFゴールドカップもカナダとの共催で同時進行中。さらに国内リーグのMLS(メジャーリーグサッカー)も中断することなく日程を消化し続けており、スポーツ大国の全土で多くの人々がサッカーを楽しんでいる。

 MLSではインテル・マイアミのリオネル・メッシをはじめ、サッカー界のビッグネームも少なくなく、競技レベルでは「先進国」と言えないものの、マーケットとしては確固たる地位を築きつつあり、存在感を強める一方である。

 米国ではバスケットボール、アメリカンフットボール、アイスホッケー、野球の「4大スポーツ」が古くから人気を博し、サッカーについては長く「不毛の地」と言われていた。初めてこの競技において世界から注目を集めたのは今から50年前。「神様」と呼ばれた偉大なスーパースターが到来した時だった。

 ブラジル代表としてワールドカップで3度の優勝に貢献し、サントスでは国内外の主要タイトルを全て獲得したペレだ。キャリア通算得点が1000点を超えた「王様」は、ピッチ外でもその威光を放ち続け、セレブとして、実業家として、また大使として、世界のあらゆる分野において絶大な影響力を誇った、今なお「史上最高のサッカー選手」といわれる大偉人である。

 その彼がアメリカと結びついたのは1975年。前年にユニホームを脱いだペレは、自身が6%の株式を所有する自動車部品製造会社『Fiolax』が経営破綻の危機に瀕し、多額の現金を必要としたタイミングで、アメリカの「北米リーグ」からオファーを受ける。サッカー好きで知られた当時のアメリカ国務長官ヘンリー・キッシンジャー氏の仲介で、ワーナー・コミュニケーションズが所有するニューヨーク・コスモスと現在の価値で200億円超ともいわれる契約を交わした彼は、34歳で現役復帰を果たした。

 6月10日、約300人の記者が詰めかけ、カメラマン同士が場所をめぐって殴り合う騒ぎも起こったニューヨークの高級クラブ「21クラブ」で大々的に入団会見を行なったペレは、『ついにサッカーがアメリカにやって来た』との名言を残し、8日後のトロント・メトロス戦で公式戦デビューを飾った。以降3シーズンをこのクラブで過ごして、アメリカ全土に空前のサッカーブームを巻き起こし、111試合出場で65得点という記録を残したのだった。
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