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海外サッカー

「ペレが蒔いた種は後に芽吹いた」 “神様”がアメリカとサッカーを結び付けた50年前の「記念日」をブラジルメディアが回想「確かに今も息づいている」

THE DIGEST編集部

2025.06.20

 アメリカ・サッカーの記念日と言える「1975年6月18日」からちょうど半世紀を経て、ブラジルの総合メディア『Globo』は当時を回想。1967年に設立されたNASL(北米サッカーリーグ)はまだ未成熟であり、「アマチュア精神とチームのクオリティーの低さに苦しんだ」ペレは入団当初、「俺はどこに来てしまったんだ?」と自問自答したという。

 アメリカの大手紙『New York Times』は、デビュー戦となったトロント戦後に「ペレは封じられたが、コスモスは勝利した」とやや辛口の論調を展開し、「コスモスのフロント陣は昨夜、金を数えるのに夢中で、ペレがゴールもアシストもしなかったことに気づかなかった」と、いかに商業的に大きな成功を収めたかを伝えている。そしてペレを、「モハメド・アリ(ボクシング)、ジョー・ネイマス(アメフト)、キャットフィッシュ・ハンター(野球)を融合した存在」だと表現したのだった。
 
 またペレは、公式戦デビューの3日前に顔見世興行となるダラス・トルネードとの親善試合に出場。放送局「CBS」が多額の放映権を購入して13か国に中継し、スタジアムには22か国から300人以上の記者が集まった。入場料収入は10万ドル。スタジアムの駐車場には4000台以上の車が入りきらなかったというこの試合を、ブラジル・サンパウロの日刊紙『FOLHA DE S.PAULO』は「まるでニューヨークはサッカーの『誕生日』を祝うような、洗練された雰囲気だった」と伝えたという。

 ペレが1977年にピッチを去った後のアメリカ・サッカーについて、ブラジル・クイアバの日刊紙『DIARIO DE CUIABA』は、「アメリカは当時、まだプロサッカーを受け入れる準備が整っておらず、1984年にリーグは消滅したが、ペレが蒔いた『種』は後に芽吹いた」と綴り、以下のように続けた。

「アメリカは1994年にW杯開催国となり、1996年にはMLSが誕生。そして今、メッシやルイス・スアレスのようなベテランのスターたちがプレーしており、クラブW杯にも3チームが出場している。50年前、『宣教師』が運んできたサッカーは、確かに今もアメリカで息づいている」

 英国のサッカー専門サイト『PLANET FOOTBALL』は、ペレとメッシのアメリカにおけるデビューからの60試合の成績を比較した。得点数はペレが35点、メッシが49点。アシストは18回と23回、得点関与は53回と72回と、いずれもアルゼンチンのスーパースターが上回っているが、これが両者の偉大さに優劣をつけるものではなく、同メディアも「両者ともサッカー界の伝説的存在であることに変わりはない」と綴っている。

 ひとつ言えるのは、現在のメッシの雄姿は、ペレの50年前の第一歩があってこそのものだということだ。

構成●THE DIGEST編集部
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