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海外サッカー

バルセロナ移籍か、アスレティック残留か。ニコ・ウィリアムスを巡る対立がヒートアップ! ビルバオ市内では壁画が消される事件も…

下村正幸

2025.07.03

バルサへの移籍の噂があるニコ・ウィリアムス。(C)Getty Images

バルサへの移籍の噂があるニコ・ウィリアムス。(C)Getty Images

 ジャーナリストで作家のジョアン・カニェテ・ベイル氏は、ニコ・ウィリアムスの移籍を巡る騒動を「現代サッカー界に蔓延する“共感の欠如”の象徴」と評する。バルセロナとアスレティック・ビルバオ、両クラブ周辺の反応はまさに対照的だ。
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 報道によれば、バルセロナは5800万ユーロ(約98億円)の契約解除金を支払ってニコを獲得しようとしている。しかし、アスレティックは「サラリーキャップを超過しているバルサに獲得資格はない」と反発し、公式声明を発表した。

 当然のように、バルサ寄りのメディアからは反論の声が噴出。『スポルト』のリュイス・ミゲルサンス記者は「アスレティックの行動は単なるワガママ。ラ・リーガはバルサの財政を厳しく監視しており、抗議は無意味」と断じた。

 また同紙のフェラン・コレアス記者は「これはアスレティックの政治的パフォーマンス。2026年の会長選で再選をめざすホン・ウリアルテ会長は、ニコの契約更新時に誤った判断をした自覚があるはず。彼は契約解除金を低く設定しすぎた。責任を問うべきはバルサではなく、そちらのクラブの会長だ」と主張した。

 さらに、『オンダ・セロ』のバルサ担当実況者アルフレッド・マルティネス氏は、「大魚が小魚を食うのはサッカーの掟。アスレティックはバスク地方の“大魚”として好き勝手してきたが、今度は自分たちが食われる側になっただけ」と冷ややかに語った。
 
 一方、アスレティック側も黙ってはいない。『ムンド・デポルティボ』のエンディカ・リオ記者は、「アスレティックは特別な要求はしていない。ファイナンシャル・フェアプレーの遵守を求めただけ」と反論。「法の穴を搔い潜る疑いのあるライバルに対し、監視の目を光らせるのは、ごく普通のことだ」と声明の正当性を主張した。

 そしてこの騒動はさらに新展開を迎える。『ムンド・デポルティボ』が、「ニコ側が“確実な選手登録の保証”を要求し、バルサが困惑している」という記事を出したのだ。

 同紙のアスレティック番記者であるイニャキ・ウガルデ氏は「ニコの同意と契約解除金の支払いだけで終わると思ったら、“登録保証”という第三の条件が加わった。これはごく当然のことのように思えるが、彼らにとってはそうではない」と、毎年の恒例行事のように新加入選手の登録に苦労しているバルサに対して皮肉を込めた。

 また、ビルバオ市内にあるイニャキとニコのウィリアムス兄弟の顔が描かれた壁画からニコの顔のみが消され、「出て行っても残ってもお前はリスペクトを失った」というメッセージが新たに書き加えられる事件まで発生した。

 同じ出来事でも、立場が違えば受け止め方はまるで異なる。ましてサッカーとなれば意見はさらに分かれるし、時に過激な行動にもつながる。ひとつ確かなのは、今夏もニコ・ウィリアムスが移籍市場の主役を演じ、バルサの財政問題が騒動をさらに複雑にしていることだ。

文●下村正幸

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