レアル・ソシエダは今季、スペイン代表MFのマルティン・スビメンディを6600万ユーロ(約114億円)でプレミアリーグのアーセナルに売却した。これは現時点で夏の移籍市場における3番目に高額の案件である。
【動画】アーセナルが配信したスビメンディのウェルカムムービー
スペインのスポーツ紙『MARCA』は、このサン・セバスティアン出身の26歳がソシエダの“基盤”である「カンテラ(育成組織)」から輩出された選手だという点に注目し、同クラブの「スポーツ面の成功と巨額の利益を得てきた、多くの事例のひとつだ」と指摘した。
「これは近年、バスクのクラブが自前の選手たちの移籍で得てきた莫大な収入の一部にすぎない。始まりは2013年、レアル・マドリーがアシエル・イジャラメンディの契約解除金として3200万ユーロ(約55億円)を支払った時であり、それ以降の13年間で、クラブは総額2億5000万ユーロ(約430億円)を稼いだ。スビエタ(ソシエダの育成組織の通称)は、カンテラ出身の選手たちによって、チームに安定した成績をもたらすだけでなく、クラブの経済的安定の鍵にもなっている」
以前は同じバスクのライバルであるアスレティック・ビルバオに選手を引き抜かれるケースが多かったが、2003年のリーガ準優勝や欧州カップ戦への出場などでクラブの競争力が高まった結果、ソシエダの優秀な選手たちはもはやアスレティックではなく、より規模の大きなクラブに移籍するようになり、それによってクラブの金庫には巨額の資金が流れ込むようになったのだという。
ソシエダは2012-13シーズンにラ・リーガで4位につけてチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得すると、その成功の立役者のひとりだったイジャラメンディをマドリーに引き抜かれた。翌シーズンにはアントワーヌ・グリーズマンもアトレティコ・マドリーに3000万ユーロ(約52億円)+将来売却時の利益の20%で売却するハメになったが、実際に彼が2019年にバルセロナへ1億2000万ユーロ(約206億円)で移籍したことにより、彼の最終的な売却益は5400万ユーロ(約93億円)に達した。
その後も、2018年冬にイニゴ・マルティネスが3200万ユーロ(約55億円)でアスレティックへ、同年夏にはアルバロ・オドリオソラが3200万ユーロでマドリーへ新天地を求め、その後しばらくは「ミケル・オジャルサバルがビッグクラブの誘いに応じなかった」こともあってビッグディールは生まれなかったものの、昨夏にアトレティコがロビン・ル・ノルマンに3450万ユーロ(約59億円)+500万ユーロ(約9億円)のボーナスを支払い、そして今年はスビメンディの案件が合意に至った。
こうして、2013年から現在までの全てのカンテラ出身選手の売却収入の合計は2億ユーロ超となり、彼らの活躍によってクラブはコパ・デル・レイ優勝、CLやヨーロッパリーグへの出場を複数回果たしただけでなく、その売却益はスタジアムの大幅な改修や、トレーニング施設のレベルアップなどにも使われてきた。そのため、同メディアはこの13年間の競技的・経済的成功の基盤となってきた「育成」について「今後も変わらずクラブの核であり続けるべきだ」と訴えている。
ちなみにドイツの移籍専門サイト『Transfermarkt』によれば、2013年からのソシエダの全売却益は4億7936万ユーロ(約824億円)で、逆に補強支出の合計は2億6858万ユーロ(約462億円)ということで2億1078万ユーロ(約362億円)のプラスとなり、この純利益はラ・リーガでは最高額で、商売上手なところを見せつけた。
ソシエダといえば、久保建英が国内外のクラブからの関心を多数のメディアによって報じられ、その去就が注目されている。現在の契約で解除金は6000万ユーロ(約103億円)とされており、もし売却される場合、助っ人として2022年に650万ユーロ(約11億円)で加入した彼も、前述の歴代カンテラ出身選手同様か、それ以上に多くのものをクラブに残していくことになるが、果たして!?
構成●THE DIGEST編集部
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スペインのスポーツ紙『MARCA』は、このサン・セバスティアン出身の26歳がソシエダの“基盤”である「カンテラ(育成組織)」から輩出された選手だという点に注目し、同クラブの「スポーツ面の成功と巨額の利益を得てきた、多くの事例のひとつだ」と指摘した。
「これは近年、バスクのクラブが自前の選手たちの移籍で得てきた莫大な収入の一部にすぎない。始まりは2013年、レアル・マドリーがアシエル・イジャラメンディの契約解除金として3200万ユーロ(約55億円)を支払った時であり、それ以降の13年間で、クラブは総額2億5000万ユーロ(約430億円)を稼いだ。スビエタ(ソシエダの育成組織の通称)は、カンテラ出身の選手たちによって、チームに安定した成績をもたらすだけでなく、クラブの経済的安定の鍵にもなっている」
以前は同じバスクのライバルであるアスレティック・ビルバオに選手を引き抜かれるケースが多かったが、2003年のリーガ準優勝や欧州カップ戦への出場などでクラブの競争力が高まった結果、ソシエダの優秀な選手たちはもはやアスレティックではなく、より規模の大きなクラブに移籍するようになり、それによってクラブの金庫には巨額の資金が流れ込むようになったのだという。
ソシエダは2012-13シーズンにラ・リーガで4位につけてチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得すると、その成功の立役者のひとりだったイジャラメンディをマドリーに引き抜かれた。翌シーズンにはアントワーヌ・グリーズマンもアトレティコ・マドリーに3000万ユーロ(約52億円)+将来売却時の利益の20%で売却するハメになったが、実際に彼が2019年にバルセロナへ1億2000万ユーロ(約206億円)で移籍したことにより、彼の最終的な売却益は5400万ユーロ(約93億円)に達した。
その後も、2018年冬にイニゴ・マルティネスが3200万ユーロ(約55億円)でアスレティックへ、同年夏にはアルバロ・オドリオソラが3200万ユーロでマドリーへ新天地を求め、その後しばらくは「ミケル・オジャルサバルがビッグクラブの誘いに応じなかった」こともあってビッグディールは生まれなかったものの、昨夏にアトレティコがロビン・ル・ノルマンに3450万ユーロ(約59億円)+500万ユーロ(約9億円)のボーナスを支払い、そして今年はスビメンディの案件が合意に至った。
こうして、2013年から現在までの全てのカンテラ出身選手の売却収入の合計は2億ユーロ超となり、彼らの活躍によってクラブはコパ・デル・レイ優勝、CLやヨーロッパリーグへの出場を複数回果たしただけでなく、その売却益はスタジアムの大幅な改修や、トレーニング施設のレベルアップなどにも使われてきた。そのため、同メディアはこの13年間の競技的・経済的成功の基盤となってきた「育成」について「今後も変わらずクラブの核であり続けるべきだ」と訴えている。
ちなみにドイツの移籍専門サイト『Transfermarkt』によれば、2013年からのソシエダの全売却益は4億7936万ユーロ(約824億円)で、逆に補強支出の合計は2億6858万ユーロ(約462億円)ということで2億1078万ユーロ(約362億円)のプラスとなり、この純利益はラ・リーガでは最高額で、商売上手なところを見せつけた。
ソシエダといえば、久保建英が国内外のクラブからの関心を多数のメディアによって報じられ、その去就が注目されている。現在の契約で解除金は6000万ユーロ(約103億円)とされており、もし売却される場合、助っ人として2022年に650万ユーロ(約11億円)で加入した彼も、前述の歴代カンテラ出身選手同様か、それ以上に多くのものをクラブに残していくことになるが、果たして!?
構成●THE DIGEST編集部
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