若手選手にとって“ビギナーズラック”はつきものだ。レアル・マドリーのFWゴンサロ・ガルシアも、その典型だった。今シーズン、コパ・デル・レイ準々決勝のレガネス戦で、後半アディショナルタイムにトップチーム初ゴールとなる決勝点を挙げ、チームを3-2の勝利に導いた。
【動画】ゴンサロ・ガルシア決勝弾! マドリー対ユベントスのハイライト
この劇的な一撃で一躍脚光を浴びると、スペイン紙『AS』の元編集長、アルフレッド・レラーニョ氏は「彼の活躍は、アンディ・ウォーホルの“15分間の栄光”で終わるのか、それとも新たな物語の始まりとなるのか。答は時間が教えてくれるだろう」とコメントしていた。
それから約5か月、状況は大きく動いた。キリアン・エムバペの胃腸炎による離脱(グループステージ3試合を欠場)とエンドリッキの負傷(右足ハムストリング腱損傷)により、クラブW杯でゴンサロは出場機会をつかみ、6試合で4得点をマーク。準決勝まで勝ち進んだマドリーの攻撃を牽引するまでに成長した。
フリージャーナリストのファビアン・ピニェロ氏は「ゴンサロの活躍は偶然ではない。彼は“基準点型9番”と“捕まえにくいストライカー”という相反する特徴を兼ね備えている。機動力、駆け引き、ボールテクニックに優れ、まるでアルバロ・モラタとボルハ・マジョラルを足して2で割ったような存在だ。マドリーの高い技術要求に応えつつ、戦術的にも有用な選手。すでに準備は整っている」と高く評価した。
ゴンサロの魅力は得点だけではない。スペインのラジオ局『Cadena SER』の司会者ヘスス・ガジェゴ氏は「彼はライン間で連携し、エリア外でもボールを受け、ゴールを背にしたポストプレーもできる。マークを外し、ゴール前で駆け引きし、プレスでも貢献する。彼のプレーはチーム全体に利益をもたらした。4得点以上の価値がある」と、総合力の高さを称賛した。
さらに、マドリーのソシオでもある弁護士で政治家のマヌエル・コボ氏は「彼は頭でも両足でも、多彩な形でゴールを決められる。待望の“クラシックな9番”がついに現われた」と熱烈に歓迎。ホセルが退団して以降、マドリーでは9番タイプの補強待望論がくすぶっていたが、ゴンサロの台頭によって、最近はその声も聞かれなくなった。『AS』紙も「エムバペに次ぐ2番手FWの座が確約されていたエンドリッキの立場が、ゴンサロのブレイクで不安定になりつつある」と指摘している。
もっとも、エンドリッキも負傷前は限られた出場機会の中で実力を示していた。しかし、離脱中に強力なライバルが現われた。『AS』紙によれば、エンドリッキは危機感を抱き、大会途中にアメリカへ渡り、出場が難しい状況でもチームに合流。シャビ・アロンソ監督の目の前でトレーニングを続け、回復ぶりをアピールしたという。
ゴンサロはサイドでもプレー可能で、ドルトムント戦ではエムバペと約20分間共演。続くパリ・サンジェルマンとの準決勝では、ふたり揃って先発出場を果たした。来季はエムバペ、エンドリッキ、ゴンサロという個性の異なる3人のFWを、シャビ・アロンソ監督がどう使い分けるのか。ゴンサロの台頭によって、マドリーの攻撃陣は一気に層を増した。監督の采配が注目される。
文●下村正幸
【動画】チェルシーがジョアン・ペドロの2発で決勝進出! 準決勝フルミネンセ戦ハイライト
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それから約5か月、状況は大きく動いた。キリアン・エムバペの胃腸炎による離脱(グループステージ3試合を欠場)とエンドリッキの負傷(右足ハムストリング腱損傷)により、クラブW杯でゴンサロは出場機会をつかみ、6試合で4得点をマーク。準決勝まで勝ち進んだマドリーの攻撃を牽引するまでに成長した。
フリージャーナリストのファビアン・ピニェロ氏は「ゴンサロの活躍は偶然ではない。彼は“基準点型9番”と“捕まえにくいストライカー”という相反する特徴を兼ね備えている。機動力、駆け引き、ボールテクニックに優れ、まるでアルバロ・モラタとボルハ・マジョラルを足して2で割ったような存在だ。マドリーの高い技術要求に応えつつ、戦術的にも有用な選手。すでに準備は整っている」と高く評価した。
ゴンサロの魅力は得点だけではない。スペインのラジオ局『Cadena SER』の司会者ヘスス・ガジェゴ氏は「彼はライン間で連携し、エリア外でもボールを受け、ゴールを背にしたポストプレーもできる。マークを外し、ゴール前で駆け引きし、プレスでも貢献する。彼のプレーはチーム全体に利益をもたらした。4得点以上の価値がある」と、総合力の高さを称賛した。
さらに、マドリーのソシオでもある弁護士で政治家のマヌエル・コボ氏は「彼は頭でも両足でも、多彩な形でゴールを決められる。待望の“クラシックな9番”がついに現われた」と熱烈に歓迎。ホセルが退団して以降、マドリーでは9番タイプの補強待望論がくすぶっていたが、ゴンサロの台頭によって、最近はその声も聞かれなくなった。『AS』紙も「エムバペに次ぐ2番手FWの座が確約されていたエンドリッキの立場が、ゴンサロのブレイクで不安定になりつつある」と指摘している。
もっとも、エンドリッキも負傷前は限られた出場機会の中で実力を示していた。しかし、離脱中に強力なライバルが現われた。『AS』紙によれば、エンドリッキは危機感を抱き、大会途中にアメリカへ渡り、出場が難しい状況でもチームに合流。シャビ・アロンソ監督の目の前でトレーニングを続け、回復ぶりをアピールしたという。
ゴンサロはサイドでもプレー可能で、ドルトムント戦ではエムバペと約20分間共演。続くパリ・サンジェルマンとの準決勝では、ふたり揃って先発出場を果たした。来季はエムバペ、エンドリッキ、ゴンサロという個性の異なる3人のFWを、シャビ・アロンソ監督がどう使い分けるのか。ゴンサロの台頭によって、マドリーの攻撃陣は一気に層を増した。監督の采配が注目される。
文●下村正幸
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