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パーマー、パリSG、南米勢…クラブW杯の「勝者と敗者」を英紙が選定!「影響力を確保する手段を手に入れた」FIFAには皮肉も

THE DIGEST編集部

2025.07.17

決勝で2G・1Aの活躍を見せて優勝に貢献したパーマーは、紛れもない勝者だ。(C)Getty Images

 32チームによる1か月におよぶ大会期間と、これまでから大幅に規模が拡大されたクラブワールドカップは、欧州王者パリ・サンジェルマンを3-0で下したチェルシーが世界一の称号を手にして幕を閉じた。

【動画】パーマーの2G・1Aの活躍でチェルシーがパリSGに勝利!クラブW杯決勝ハイライト

 全てにおいて「拡大路線」を推し進めるジャンニ・インファンティーノFIFA(国際サッカー連盟)会長の肝いりで誕生したビッグイベントは、開幕前から批判的な意見が多く寄せられた。欧州勢からボイコットの可能性も示唆されたほどで、大会中にも様々な不満が現場サイドから噴出し、各国メディアからの厳しい指摘もあった。

 スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、アメリカが来夏のワールドカップの会場でもあることを踏まえ、「クラブW杯から見えたW杯に向けての教訓」と題した記事を公開。今大会のダメ出しを行ない、「悪天候(猛暑、雷雨など)による混乱への対処」「テレビ視聴率より選手を優先した試合時間設定の必要性」「広大な国土であるがゆえの輸送トラブルの対処」「一部のスタジアムの不便なアクセスに対する改善」「芝の改善」「大会、その前後の過密日程による疲労への対処」といった課題を挙げた。
 
 英国の日刊紙『The Guardian』は「クラブW杯の勝者と敗者」を選定した。「勝者」のなかに大会MVPを受賞したチェルシーのコール・パーマーを選び、「決勝で2得点・1アシストを記録し、優勝に大きく貢献。背番号10を背負う若手イングランド代表は、その重圧をむしろ力に変えているように見える。多彩なポジションで活躍し、安定したパフォーマンスを披露」と賛辞を贈った。

 続いてUEFA(欧州サッカー連盟)も「勝者」とし、「大会序盤では『南米勢が欧州の強豪と互角以上に渡り合っている』といわれたが、最終的には『世界最高のクラブは欧州にある』事実を改めて証明した。欧州勢は大会中、UEFA以外のクラブとの35試合で23勝7分け5敗の成績を残し、約3億4000万ドル(約507億円)の賞金を獲得。これは総額の70%以上に相当する」と寸評している。

 FIFAも「勝者」に分類したが、「これまで十分に支配できていなかった各地域のビッグクラブを通じ、世界的な影響力を確保する手段を手に入れた」と、皮肉を込めて競技面以外の要素を理由に挙げた。続けて「観客動員数は延べ240万人超、見せ場も数多く生み出すなど、ポジティブな材料は豊富に提示できる。だが、150万席以上が空席だったという現実も忘れてはならない」とも指摘した。
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「大会に参加した多くの選手たち」が敗者