しかしこのようなポジティブな見解を示したメディアばかりではなく、英国の日刊紙『THE Sun』は、「後半開始早々にトッテナムが再び得点した際には、パリSGファンは『ドンナルンマがまだいてくれていたら……』と思ったことだろう」と綴り、PK戦での殊勲のセーブを披露してもなお、「新加入GKにとって、栄光の夜とは言いがたかった」とそのパフォーマンスを厳しく報じた。
  　また別の記事では、ドンナルンマが今回のメンバーを外されたことに、彼の代理人エンツォ・ライオラや多くの有識者、そしてファンが反感を示していることを伝えた上で、２失点目を「そのプレーは酷く、まるで『ソーセージフィンガー（不器用であることの表現）』にでもなったかのように、ロメロのシュートを手からすり抜けさせ、同時に自らの手でゴールに押し込んでしまった」と表現し、ファンのSNSでの批判的な投稿を紹介したが、最後は「幸運にも、彼はその夜、最後に笑うことができた」と記事を締めている。

　一方、ドンナルンマの母国イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、自国代表チームのキャプテンを差し置いて正GKの座を掴んだフランス人について、「鍛え上げられたメンタルを持ち、考えも明確だ。数か月前、『SO FOOT』誌のインタビューで、『フランスのGK育成は非常に優れているが、イタリアは衰退している』と語ったこともある」と報じ、そのデビュー戦のレポートを以下のように綴った。

「試合は悪い形で始まった。かなり悪かった。パリSGにとっては、致命傷になりかねないミスからだった。しかしその後、彼は欧州王者の勝利に自らの力で貢献し、ミスを帳消しにした。逆転、そしてPK戦での勝利。そのPK戦でフランス人GKは輝きを放ち、先制点を奪ったファン・デ・フェンのシュートを阻止した。大きなプレッシャーを背負って戦った新守護神にとっては、救いとなる結果だった」