ちなみに英国公共放送「BBC」は、今回のルイス・エンリケ監督による思い切った守護神交代に改めて注目。その効果を次のように説明している。

「彼はチームのプレースタイルにおいて、シュバリエがパリSGをさらに進化させると信じている。このGKは、そのボールタッチのクオリティー、視野の広さ、そして後方から縦パスでラインを破る能力の高さから、『フットサル選手のようだ』と評されることもある。パリSGがボールを保持して攻撃を組み立てる際、彼は事実上フィールドプレーヤーとして振る舞うことができるのだ」
  　また、「ドンナルンマの代役は簡単ではないが、シュバリエは2022-23シーズンにリーグ・ドゥ（ヴァランシエンヌ）から昇格してすぐ、リールの正守護神として活躍。プレッシャーをものともしなかった。昨季は11試合でクリーンシートを達成し、リーグ・アン最優秀GKに選出。チームを５位に導き、フランス代表にも初招集された」と、守備者としての有能さを強調している。

　そして、ドンナルンマについては「旧来型GKの最高形」と評したうえで、「サッカーは進化を続け、GKには単なるシュートストップ能力だけでなく、ビルドアップの起点となる役割も求められている。これは、マンチェスター・シティでエデルソンが高く評価されている理由でもある」と指摘した。

　マンCといえば、イングランド代表正GKのジョー・ハートがいるにもかかわらず、今回同様にフィールドプレーヤーの能力を求めるペップ・グアルディオラ現監督の要望によってクラウディオ・ブラーボの獲得を断行した過去がある。そうしたクラブがドンナルンマの移籍先として有力視されている状況に、『BBC』はフランス人ジャーナリスト、ユリアン・ローラン氏のコメントを借りて、「ジジは“ペップ型”のGKではない」と疑問視している。

構成●THE DIGEST編集部
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