一方、『Manchester Evening News』紙は「1994-95シーズンのポート・ヴェイル戦や2014-15シーズンのMKドンズ戦のように、無名選手や未経験の若手ばかりで構成されたチームで臨んだ一戦ではなかった。今回のマンUは、総額４億1610万ポンド（約828億円）を投じて組み上げられたチームだ。しかし45分間の出来は、MKドンズ戦よりも酷かった」と、名門チームの惨状を強調している。

「PK戦での敗北が恥辱を和らげることはなく、これはクラブ史に残る衝撃的なカップ戦敗退のひとつとして記憶されるだろう。（中略）あのMKドンズ戦では、当時の監督だったルイス・ファン・ハールは、未経験者を起用したことで、０-４の惨敗にも全く動じず、試合後にはサインにも応じていた。しかし今回、アモリム監督にそんな余裕はなく、それどころか当時の『子羊たち』よりも酷いチームを晒してしまった」
 
　そして同メディアは、「この敗戦は、マンUの国内カップ戦における最大級の屈辱のひとつに数えられる運命にあり、今季の現実的なタイトル獲得の可能性はFAカップひとつに制限されることとなった」と記述。プレミアリーグでも未勝利（１分け１敗）のチームにとって、今季も苦難が続くことを暗に示唆した。

『The Guardian』紙も、「マンUは土曜日に控えるバーンリー戦（プレミアリーグ第３節）に、満身創痍で臨むことになる。早くも危機に瀕しているシーズン序盤の４試合で、未勝利が続く光景を想像するのは容易だ。それでもアモリム監督は、生き延びる（留任）かもしれない。何しろ、この夏に２億ポンド（約398億円）以上を費やしたばかりだから。しかし結論はこうだ。就任から９か月経っても、彼は依然として活力も独創性も堅固さもなく、戦術的な一貫性すら見えないチームをピッチに送り出し続けている」と厳しく報じている。

　そしてスポーツ専門チャンネル『ESPN』は、このポルトガル人指揮官の“過ち”をテクニカルな面で言及し、「全ての問題の中で最大のものは、もはや『見て見ぬふりのできない』ものになっている。それは、アモリムが３-４-３システムに固執し続けていることだ。リーグでは全く機能しておらず、中盤のセンターで数的不利に陥っているのに、彼はアプローチを変えることを拒み、監督としての地位を守る望みを、自ら危険に晒し続けている」と指摘した。

構成●THE DIGEST編集部

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