肝心のピッチ上に関しては、セリエBに降格した22-23シーズン途中からスポーツダイレクターを務めるフィリッポ・アントネッリが強化の全権を握り、昨シーズン就任して1年での再昇格をもたらしたジョバンニ・ストロッパ監督が引き続きチームを率いる体制だ。
2年前にエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督の下でセリエA19位に終わったチームを、降格した昨シーズンも解体することなく維持。戦力を大きく落とすことなくセリエBを戦い、首位で再昇格を勝ち取った。これは、セリエAに戻った後も継続的に強化していける陣容を準備することが狙いだ。
新シーズンのセリエAに向けても、ストロッパ監督との契約を2029年まで延長して、チームとしての継続性を担保しつつ、昨シーズンのチームを土台としてキーポジションに即戦力を加えるという手堅い強化戦略を進めている。
アンカーとして攻守のバランスを担ったMFイッサ・ドゥンビアをスポルティングへ、主将として最終ラインを支えたミヒャエル・スボボダをブライトンへと主力2人を売却したものの、スボボダの後釜にはセリエBに降格したヴェローナからドイツ代表経験も持つCBアルメル・ベラ=コチャプを獲得。
前線には、昨季セビージャで10得点3アシストを挙げたナイジェリア代表大型FWエイコー・アダムス、スパルタ・プラハで11得点3アシストのコソボ代表FWアルビオン・ラフマニを加えて、得点力向上を図っている。
昨シーズンのヴェネツィアは、3-5-2のウイングバックが攻撃的に振る舞い、ポジショナルなボール支配で主導権を握る積極的かつ能動的なサッカーで、リーグ最高得点、最少失点でセリエBを制覇した。
今シーズンは、ほとんどの相手が同格あるいは格上となるセリエAで、そうした攻撃的な姿勢をどこまで打ち出せるか、ボールとピッチを「支配する」側ではなく「支配される」側に回った時に、どれだけの耐性を見せ勝機を作り出せるかが課題となる。
外国資本、観光都市の魅力を前面に打ち出したブランド戦略、スタジアム開発などの共通点から、ヴェネツィアは「第2のコモ」になるのではないかという期待もある。
オーナーの明確なビジョン、そして単なる監督以上の存在であるセスク・ファブレガスの哲学と手腕を通して、すでにセリエAに確固たる地位を築きビジネス的にも成功を収めつつあるコモに対して、ヴェネツィアはすべてがここから。
まずはピッチ上でセリエA定着を果たしつつ、新会長の下でブランドとスタジアムを中核に据えたビジネス戦略を確立することが、最初のステップとなる。今シーズンの動向を引き続き注視していこう。
文●片野道郎
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2年前にエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督の下でセリエA19位に終わったチームを、降格した昨シーズンも解体することなく維持。戦力を大きく落とすことなくセリエBを戦い、首位で再昇格を勝ち取った。これは、セリエAに戻った後も継続的に強化していける陣容を準備することが狙いだ。
新シーズンのセリエAに向けても、ストロッパ監督との契約を2029年まで延長して、チームとしての継続性を担保しつつ、昨シーズンのチームを土台としてキーポジションに即戦力を加えるという手堅い強化戦略を進めている。
アンカーとして攻守のバランスを担ったMFイッサ・ドゥンビアをスポルティングへ、主将として最終ラインを支えたミヒャエル・スボボダをブライトンへと主力2人を売却したものの、スボボダの後釜にはセリエBに降格したヴェローナからドイツ代表経験も持つCBアルメル・ベラ=コチャプを獲得。
前線には、昨季セビージャで10得点3アシストを挙げたナイジェリア代表大型FWエイコー・アダムス、スパルタ・プラハで11得点3アシストのコソボ代表FWアルビオン・ラフマニを加えて、得点力向上を図っている。
昨シーズンのヴェネツィアは、3-5-2のウイングバックが攻撃的に振る舞い、ポジショナルなボール支配で主導権を握る積極的かつ能動的なサッカーで、リーグ最高得点、最少失点でセリエBを制覇した。
今シーズンは、ほとんどの相手が同格あるいは格上となるセリエAで、そうした攻撃的な姿勢をどこまで打ち出せるか、ボールとピッチを「支配する」側ではなく「支配される」側に回った時に、どれだけの耐性を見せ勝機を作り出せるかが課題となる。
外国資本、観光都市の魅力を前面に打ち出したブランド戦略、スタジアム開発などの共通点から、ヴェネツィアは「第2のコモ」になるのではないかという期待もある。
オーナーの明確なビジョン、そして単なる監督以上の存在であるセスク・ファブレガスの哲学と手腕を通して、すでにセリエAに確固たる地位を築きビジネス的にも成功を収めつつあるコモに対して、ヴェネツィアはすべてがここから。
まずはピッチ上でセリエA定着を果たしつつ、新会長の下でブランドとスタジアムを中核に据えたビジネス戦略を確立することが、最初のステップとなる。今シーズンの動向を引き続き注視していこう。
文●片野道郎
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