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海外サッカー

ドイツ国内で論争勃発!世代交代が進むチームの守護神に相応しいのは、ノイアー?テア・シュテーゲン?

遠藤孝輔

2019.10.09

33歳のノイアーは来年のEURO限りでの代表引退を検討しているという。(C) Getty Images

33歳のノイアーは来年のEURO限りでの代表引退を検討しているという。(C) Getty Images

 その主張もわからなくはない。なにしろバルセロナの正守護神として、ここ数年に渡って「ワールドクラスのパフォーマンスを披露している」(元ドイツ代表のローター・マテウス)のだから。片やノイアーは昨シーズン、長期離脱明けの影響からか精彩を欠いていた。ドイツ代表で近未来のキャプテン候補と目されるバイエルンのヨシュア・キミッヒも、「がっかりしている気持ちを口にしただけ」とテア・シュテーゲンを擁護している。

 では、ドイツのファンはどう感じているか。興味深いのは『ビルト』紙がウェブ上で行なっているアンケート結果だ。「ノイアーとテア・シュテーゲンのどちらがベストか」という問いに対し、本稿執筆時点で前者が43㌫、後者が57㌫の支持を集めているのだ。もちろん、国内で敵の少なくないバイエルンのアンチによる票がテア・シュテーゲンに流れている可能性も考慮しなければならないが、数年前には考えられなかった結果が出ている。
 関係者の間でプライドの高い人物として知られる現在27歳のテア・シュテーゲン(例えば、翌日の試合で自分ではなく競争相手のレノが先発と分かると、仮病でチームを離脱したことも)は、今後も忍耐の日々が続くようなら、より大きな不満分子になりかねない。一方のノイアーは現在33歳で、『シュポルト・ビルト』によれば、来年のEUROかぎりでの代表引退を検討しているという。いま問われているのは、レーブ監督のマネジメント力だろう。大舞台を前に大ナタを振るうのか、それともノイアー引退まで「GKの世代交代」を先送りにするのか。二つに一つだ。

 かつてオリバー・カーンとイェンス・レーマンが激しく火花を散らしていた時は、前者が代表最後の舞台となった06年W杯でキャプテンマークの剥奪と控えに回る屈辱を受け入れ、後者を手厚くサポート。チームの3位入賞を陰ながら支え、両者の友情は美談として報じられた。はたして、ノイアーとテア・シュテーゲンの関係性はどうなっていくのか。目が離せない。

文●遠藤孝輔

※『ワールドサッカーダイジェスト』2019年10月17日号より転載

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