メキシコシティ五輪からちょうど50年後の告白は大きな衝撃を国内に与えたが、後にバルガスはこの発言を訂正。「準々決勝のスペイン戦（２-０）での特別ボーナスが支払われなかったことで、選手のモチベーションが下がったということであり、決して故意に負けたわけではない」と語り、MFファン・イグナシオ・バサグレンも「（バルガスの告白は）侮辱だ。そんなことは私が知る限り、絶対に起こらなかった」と完全否定している。

　一方、MFエクトル・プリードは「事前に３位チームを決めるための試合が行なわれることすら知らず、選手たちは銅メダルの重要性をあまり感じていなかった」と明かしたが、「今では、（メダル獲得の）チャンスを逃すべきではなかったと思っている。我々は自国のファンに満足感を与え損なった」と後悔と反省の念も示した（『ESPN』より）。
  　日本人にとってもショッキングなこの告白は、前述の通り訂正されたとはいえ、アルゼンチンのスポーツ紙『Ole』は８月３日付の記事で「メキシコは故意に負けた」と報じており、それが事実として言い伝えられれば、日本サッカーにとっても大きな不名誉となってしまうが……。

　いずれにせよ、日本はメキシコを下して新たな銅メダルの歴史を作る必要がある。メキシコ側のリベンジが話題になっているものの、日本にとっても９年前のロンドン五輪・準決勝での敗戦（１-３）という因縁がある。果たして、どちらが復讐を果たすのか要注目である。

構成●THE DIGEST編集部