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海外サッカー

カタール行き一番乗りを決めたドイツに母国メディアでは“酷評”も!「フランス対スペイン戦とは別のスポーツだ」

THE DIGEST編集部

2021.10.14

 そんな代表チームに国内の大衆紙『BILD』も「レーブ時代と比べてポジティブな兆しが見えてきた」と期待を寄せつつ、問題点も指摘する。

 同紙は第一に絶対的なCFの不在を挙げ、「ティモ・ヴェルナーの(北マケドニア戦での)2ゴールでは覆い隠すことができない問題」であるとし、バイエルン(ロベルト・レバンドフスキ)、ドルトムント(アーリング・ハーランド)といった国内トップクラブの「本物のストライカー」が外国人選手である点にも言及した。

 また、固定できずにいる両SBにもクローズアップ。ドイツは優勝した2014年ブラジルW杯においても、フィリップ・ラームが大会途中にMFから右SBにコンバートされ、左はベネディクト・ヘーベデスがサプライズ起用されており、以降もこのポジションの問題が解決されていない。そのために「守備全体が不安定である」と指摘している。

 そして、何よりも同紙は、5試合で18得点1失点という素晴らしい成績を残したものの、リヒテンシュタイン、アルメニア、アイスランド、ルーマニア、北マケドニアという格下相手の試合ゆえの、プレーのレベルの低さを指摘。「北マケドニア戦と、前日に行なわれたUEFAネーションズリーグ決勝のフランス対スペイン戦では、まるで別のスポーツのように見えた」と酷評。真価を計るには、試金石となり得るような強国との対戦を待つ必要があると主張した。

 さらにサッカー専門誌『Kicker』は、近年のドイツの不振によって、本大会のグループ組み合わせではシード国から外れると予想。世界王者フランス、欧州王者イタリア、王国ブラジル、そして開催国枠のカタールなどと同組に入る可能性があり、「苦しいグループで脅かされるかもしれない」と、別の問題も挙げている。
 
 しかし、フリックの新体制に対する評価はあくまで高い。『BILD』は、こう続けている。

「レロイ・ザネやヴェルナーらFW陣の強化、試合を支配するための明確な戦術、非招集選手への適切な対処、ジャマル・ムシアラ、フロリアン・ヴィルツ、カリム・アデイェミといった若いタレントの抜擢などが、選手やファンに、再び良い代表チームへの印象を与えている。こうしたことは、レーブ時代の最後の数年では見られなかったことであり、非常にポジティブなことである」

 なお、北マケドニア戦でヴェルナーに代わって出場したムシアラは、83分に代表初ゴールを決めている(アシストはアデイェミ)。『Kicker』によれば、18歳227日でのゴールは1950年以降のドイツ代表の歴史における最年少記録であり、1954年10月16日(フランス戦)のクラウス・シュテルマー以来、実に67年ぶりの記録更新であった。

構成●THE DIGEST編集部
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