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日本代表

失敗しない女医のように――「ワクワク感」を欠く2次予選で酒井宏樹が教えてくれた「基本技術の大切さ」

白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

2019.11.13

タジキスタン戦では絶妙なクロスで南野のゴールを演出。酒井のセンスが光る場面だった。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

タジキスタン戦では絶妙なクロスで南野のゴールを演出。酒井のセンスが光る場面だった。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 それはそうと、カタール・ワールドカップのアジア2次予選、日本のグループはスリリングさに欠ける。別に刺激を求めているわけではないが、先が読める展開は面白くない。日本が無傷の3連勝でグループFの首位に立つということは大方の予想通りで、ここから波乱が起きる可能性も極めて低い。油断は禁物?いやいや、数年後の話なら分からないが、少なくとも現時点で同居する4か国(ミャンマー、キルギス、タジキスタン、モンゴル)に日本が負ける要素は見当たらない。

 ロシア・ワールドカップのアジア最終予選で完売続きだったホームゲームも、先のモンゴル戦では空席が少し目についた。そうなった要因のひとつは、結果が見えているところにあるだろう。日本サッカー協会の運営を批判しているわけではなく、これは対戦カードの問題。西野朗監督が率いるタイ、本田圭佑が実質指揮官を務めるカンボジアと同組になれば盛り上がるファクターもあったが……。モンゴルとのホームゲームは日本が6 -0と勝利。「ワクワク感」があまりない試合に興味を持てというほうが土台無理な話だ。
 
 TVドラマもそうである。たいてい人気があるのは、先が読めないストーリーだ。つい1か月前にも、「殺人犯は誰だ?」という話題で大いに盛り上がった連続ドラマがあった。人々の興味を駆り立てるファクターは、サッカーに限らずやはり重要だ。

 ただ、ドラマでは例外もある。先の展開はなんとなく分かるのに、強烈な決め台詞で視聴者のハートを鷲掴みにするあの名作が、例外のひとつだ。そう言えば――。そのドラマの主人公である女医が「失敗しない」のも、基本技術がしっかりしているからではないのか。いずれにしても、何かを極めるうえで基本は極めて大事だと、改めてそう思う。

文●白鳥和洋

※『サッカーダイジェスト』2019年11月14日号より転載

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