また『Gazzetta dello Sport』紙は、アンチェロッティに次ぐ功績を挙げた指揮官として、イビッチ監督の他、ユベントス、バイエルン、ベンフィカ、ザルツブルクでリーグを制したジョバンニ・トラパットーニの他、ジョゼ・モウリーニョ（ポルト、チェルシー、インテル、マドリー）、エルンスト・ハッペル（フェイエノールト、クラブ・ブルージュ、ハンブルク、スワロフスキ・チロル）らを紹介している。
  　渡り歩いた国で結果を残し続けるレッジャーナ出身の指揮官について、イタリアの全国紙『il Giornale.it』は「チームに適応し、チャンピオンを強化する独自の能力を示し、ミランでのクリスマスツリー（４-３-２-１）、チェルシーので４-３-３、創造力に満ちたパリSGでの４-４-２、バイエルンでの３人の攻撃的MFの併用など、常に適切な解決策を見つけた」と綴っているが、成功の秘訣は他にもあると指摘した。

「何よりも、彼の“穏やかなリーダーシップ”が大きく、彼については人間としてのレベルにおいても評価することができる。正しいバランスを保っており、ファッションが変わり、サッカーのスタイルが変わろうとも、『キング・カルロ５世』は常に勝ち続ける」

　指導者キャリアの初期は守備と堅実さのみを重視し、「面白くないサッカー」の信奉者の代名詞的存在だったアンチェロッティ監督が、その後はクラブ（首脳陣）の希望を汲みながら、適材適所で柔軟に戦術と選手を使い分けていけるようになった経緯は非常に興味深いものがあるが、今後もこのアプローチによってタイトル獲得数を増やしていけるかに注目したい。

構成●THE DIGEST編集部

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