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Jリーグ・国内

残り3節、4チームに絞られたJ1優勝争い。“勝者”を予想するなら…

白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

2019.11.22

川崎とのビッグマッチをらしくない戦いぶりで落とした鹿島。キャプテンの内田を中心にここから立て直せるか。写真:徳原隆元

川崎とのビッグマッチをらしくない戦いぶりで落とした鹿島。キャプテンの内田を中心にここから立て直せるか。写真:徳原隆元

 もちろん逆転優勝の可能性は残されているものの、さすがに次節の広島戦まで落とすと窮地に追い込まれる。いわば生きるか死ぬかの状況で"伝統の力"を発揮できるか。鹿島の真価が問われる試合になりそうだ。

 その鹿島から勝点3を奪ってリーグ3連覇へ望みをつないだ川崎は、ルヴァンカップ初制覇(決勝は札幌に3対3、PK戦の末に勝利)をきっかけに復調している。30節の広島戦で左膝の前十字靭帯を負傷した中村憲剛のために――と、チームは一致団結しており、ここにきて勝負強さも出てきた。さすがは2連覇中のリーグ王者と唸ってしまうほどの粘り腰で、ここ数試合の戦いぶりには素直に拍手を送りたい。

 しかし――。上位3チームよりも消化試合がひとつ多く(32節先行分では浦和に2対0と勝利)、首位のFC東京とは勝点5差で、2位の横浜とも勝点4差。次節、FC東京か横浜のどちらかが勝利した時点でリーグ3連覇の夢は潰えるわけで、厳しい状況は変わらない。ここから逆転するには……、奇跡を信じる以外にないか。現実的な目標はどちらかと言えばACLの出場権獲得(3位以内)だろう。
 
■最終節までもつれるとして勝者を予想するなら――

 ここまでの勝点と勢い、この2点から判断するかぎり、優位なのはやはり上位2チームだ。

 ラグビーワールドカップ開催の関係でホームの味の素スタジアムを使えず、アウェー8連戦を強いられたFC東京は結局、その8連戦を4勝2分2敗と勝ち越した。28節、鳥栖に逆転負けを喫して首位から陥落した際は不穏な空気も漂ったが、その後、神戸、大分、磐田を破ってリーグ3連勝。8連戦ラストの磐田戦ではエースのディエゴ・オリヴェイラに5試合ぶりのゴールが生まれるなど"良い風が吹いている"。

 なにより、首位に再浮上してアウェー8連戦を締め括れたのは大きい。次節は約3か月ぶりのホームゲーム。今の勢いを持ってすれば、そこで湘南に負けるとは考えにくい。

 というのも、曺貴裁監督のパワハラ問題に揺れた湘南は、リーグ戦で6連敗中。スコアを見ても、大分に1対2(26節)、清水に0対6(27節)、川崎に0対5(28節)、横浜に1対3(29節)、G大阪に0対3(30節)、そしてC大阪には0対1(31節)と惨憺たる結果(この6試合での総得点が2、総失点は20)で、ポジティブな要素がほとんど見当たらないのだ。

 文字通り絶不調の湘南を相手に取りこぼすようなら、所詮、FC東京の実力はそこまでということだろう。油断は禁物だが、普段通り戦えればそう苦労せずに勝利できるはずだ。むしろ焦点は33節の浦和戦だろう。
 

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