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Jリーグ・国内

残り3節、4チームに絞られたJ1優勝争い。“勝者”を予想するなら…

白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

2019.11.22

FC東京を追走する形で2位に浮上した横浜。持ち前の攻撃力を前面に押し出すサッカーは迫力満点だ。(C)THE DIGEST

FC東京を追走する形で2位に浮上した横浜。持ち前の攻撃力を前面に押し出すサッカーは迫力満点だ。(C)THE DIGEST

 FC東京は浦和を"大"の苦手としている。13年9月14日のリーグ戦(会場は国立競技場)を最後にカップ戦も含め13戦白星なし。味の素スタジアムでの勝利は、04年9月23日(J1リーグ第2ステージ6節)まで遡らなければならないのだから、まさに巨大な壁である。

 ホーム最終戦というシチュエーションで、難敵から勝点3を奪取できるか。今季最大の見せ場のひとつが、この浦和戦になる。

 FC東京をピタリと追走する形で2位に浮上してきた横浜は目下絶好調。30節の鳥栖戦、31節の札幌戦はいずれも早い時間帯に2点を先行して主導権を一気に手繰り寄せている。ポゼッション志向の強いアンジェ・ポステコグルー監督の下、持ち前の攻撃力を前面に押し出すサッカーは迫力満点で、なかでも10月のJ1リーグ月間MVPに輝いた仲川輝人の活躍は特筆に値するだろう。

 躍動感溢れるアタックで札幌の守備網を切り裂いた勢いを見るかぎり、横浜は次節の松本戦でも爽快なアタッキングフットボールを展開してくれそうな期待感がある。鳥栖戦や札幌戦のように早い段階で先制できれば、あるいはワンサイドゲームになるかもしれない。いずれにしても、チームとして噛み合った時の守備力は侮れない松本を攻略するには"前半20分まで"がひとつの勝負所か。
 
 続く川崎戦も含め、如何に自分たちのスタイルを貫けるかが鍵だろう。失点を恐れて守りを固めるようなら、おそらく横浜は自滅する。大事なのは、とことん攻め抜くスタンスだ。

 首位のFC東京と2位の横浜が順調に勝点を積み上げれば、最終節の直接対決が"優勝決定戦"となる。ちなみに、鹿島はFC東京と横浜が32節から2連勝した時点で覇権争いから脱落。思いのほか鹿島は追い込まれているのである。

 もっとも、次節、FC東京と横浜が揃って敗れ、鹿島が勝てば混戦を極める。そうなった場合、順位は以下のとおり。1位/鹿島(勝点62。得失点差でFC東京を上回る)、2位/FC東京(勝点62)、3位/横浜(勝点61)、4位/川崎(勝点57)となり、再び鹿島が主導権を握ることになる。このように、その節の結果次第で上位陣の順位が入れ替わる可能性はまだまだあるだけに、予断を許さない。

 それでもあえて横浜×FC東京戦が優勝決定戦になるとして、勝者を予想するなら、FC東京になる。長谷川健太監督の下で磨かれたファストブレイク(速攻)は、高いラインを設定して攻め立てる横浜に対してかなり有効。実際、前回対戦では先制されながらも永井謙佑が軸のカウンターでゴールを重ねて4対2と快勝しているが、野暮な予想はさて置き――。ひとつ確かなのは、今季のJリーグが極上のエンターテイメントを提供しているということだ。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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